プロローグ

 西暦197x年、地球に危機が訪れていた。かねてから進み行く環境破壊に呼応するかのように地底から、空から、海から、そして宇宙から、超生命体「怪獣」の出現が日本を中心に頻発し、地球の美しさや資源に魅了された宇宙人の侵略も盛んになった。
 これに対して人類は、超国家防衛機関「TDF(地球防衛軍)」を結成し、科学特捜隊、ウルトラ警備隊、MATといった精鋭遊撃隊を編成してこれに当たった。その結果、友好的な宇宙人の助けもあって、侵略宇宙人の元締めであるバット星人を倒すことに成功した。「友好的な宇宙人」は四人の存在が確認され、彼らは「ウルトラマン」と総称された。
 また、その陰で秘密結社「ショッカー」が世界征服を企み、改造人間を用いたテロ行為を盛んに行っていた。しかし、その野望は「仮面ライダー」と名乗るスーパーヒーローによって行き詰まっていった。それから、「ショッカー」は他組織を取り込み「ゲルショッカー」「デストロン」へと再編成を繰り返したが、四人の仮面ライダーとその支援者たちによって壊滅の憂き目を見た。
 その数年後、今度は異次元人「ヤプール」が改造生命体「超獣」を用いて地球に侵攻してきた。また、その陰で三大宇宙犯罪組織「マクー」「マドー」「フーマ」が密かに襲来し、「GOD」「ゲドン」「ガランダー」「ブラックサタン」といった悪の組織と結託しテロを起こしていった。それに、超能力を持つ新人類ミュータントの二大急進的組織である「新人類帝国」「デスパー軍団」が加わり事態は泥沼化していった。
 これに対し、「TDF」は「TAC(超獣攻撃隊)」を編成し、ウルトラマンAの協力を得てヤプールを地球から追い返した。また、スーパーヒーロー陣も新たに誕生した三人の仮面ライダーや穏健的ミュータント組織「少年同盟」に属する自由の戦士イナズマン、地球を管理する超惑星国家「銀河連邦」より派遣された三人の「宇宙刑事」の協力を得て、悪の組織の同盟を滅ぼした。
 それから、地球はたまに出現する怪獣や侵略宇宙人を「TDF」が撃退し、散発的に出現する悪の組織をスーパーヒーローたちが壊滅させていき、200x年現在はそれなりに平和になっていた。
 しかし、誰も気づくことはなかった。これまでの騒乱はとある一個人が「娯楽」として仕組んだものだったいうことを。そして、「彼女」は新しい娯楽を始めようとしていた。
 それは、ある日の東京都練馬区ススキが原よりはじまる・・・・・・。


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