ポケットの中の喧騒
No.1〜No.10


No.1 夢確かめ機

 劇場版「のび太の南海冒険記」に登場した道具。劇中、ドラえもんは宝の地図のセットをのび太のために出してあげた。これは、付属のピンが見事宝のある場所にジャストミートすればベルが鳴るが、1mmでもずれれば鳴らないというシビアな道具だった。しかしのび太は普段の不運はどこへやら、なんと一発で宝のありかにピンをさしてしまった。これを見てとても驚いたドラえもんが出したのが「夢確かめ機」である。これはキャタピラの上にマジックハンドが付いているという手のひらサイズの道具。役目は、マジックハンドで人の頬をつねり、夢じゃないことを確かめさせる。これだけ。製作者の意図のわからない道具だ。なんのためか、キャタピラで自走もできる。ますますわからない。一応劇中では、クライマックスにおいて重要な役割を果たしたのだが・・・。

No.2 地球破壊爆弾

 その名の通り、地球を破壊できるほどの威力をもった爆弾。おそらくドラえもんの道具の中で最も危険なものだろう。ネズミを見たドラえもんは恐怖のあまり錯乱して、地球ごとネズミを粉砕しようとした。のび太とママが止めに入ったからよかったものの、使用されていたら恐ろしいことになっただろう。描いてあったマークから、おそらく核爆弾と思われる。誰が何のために作ったのか、そしてなぜそれをドラえもんが持っていたのか、考えるだに恐ろしい。多くのドラえもんパロディサイトの暴走系ギャグ小説においても、最終兵器として姿を現す影のメジャー道具である。

No.3 人間製造器

 未来の世界は、これほどまでに恐ろしい道具をつくりだしてしまった。この道具は文字どおり、人間を作り出すことのできるかなり大きな装置である。その製法はとてもシンプル。まず、材料を入れる。この材料は全て、人間を構成する物質を含んでいる。具体的に挙げると、石鹸1個、釘1本、マッチ100本、鉛筆450本、石灰コップ1杯分、硫黄ひとつまみ、マグネシウムひとつまみ、1.8リットルの水。これで体重約3kgの人間一人を作り出せるらしい。これらを機械に入れ、分解装置を作動、組立スイッチを入れ、しばらくして人間ができる。こんな機械的作業で人間を作り出すこと自体、生命倫理上あってはならないことだが、この装置にはさらにひどいことがある。人間製造器でつくられた人間は普通の人間ではない。なんと、高い知能とすさまじい超能力をもつミュータントなのだ。ドラえもんの話によると、未来の世界では彼らが勝手に仲間を増やし、人間にとってかわろうとするという大事件が起こっていた。国連軍が出動して、ようやく鎮圧されたらしい。劇中でものび太の作った人間が、しずかちゃんを電気死刑にしようとした。ドラえもんが逆時計を使って時間を2時間もどしたからよかったものの、これを作った会社は一体なにを考えていたのだろう。国連軍が出動する自体を招いたのだ。倒産、あるいは閉鎖され、経営陣は厳罰に処されただろう。死刑や終身刑もありうる。しかし、もはや同情の余地はない。

No.4 未知とのそうぐう機

 これも恐ろしい機械。スイッチを押すと電波が出され、それを受けた宇宙人はどんな遠くにいてもやってくる。要するに、宇宙人を呼ぶ機械。しかし、問題がある。何百光年と離れた星から莫大な燃料費をかけてやってくるため、遊び半分で呼ぶととんでもないことになる。これまた未来の世界では、宇宙戦争になりかけたこともある。のび太の読んだハルカ星人ハルバルは、ハルカ星ではダイヤより貴重なガラスでできたビー玉をのび太からもらって、期限をなおして帰ってくれた。しかし、やってきた宇宙人がもしとても凶悪な連中だったらどうするのか。やはり製造元は閉鎖されたと思われる。

No.5 タケコプター

 どこでもドアと1、2を争う有名な秘密道具。頭に付けるだけで誰でも手軽に空を飛べてしまうこの道具はとても魅力的だ。しかし、この超メジャーな道具にも、恐ろしい欠点が。子供の頃持っていた図鑑によると、髪の長い人がタケコプターを使うと、プロペラに髪が絡まって落っこちるらしい。おっかない。タケコプターを使うときは帽子をかぶるか髪を束ねるか、あるいはばっさり切るか、どれかにしよう。

No.6 四面テント

 劇中には登場しない道具。「キャンピングカプセル」や「みのむし式スリーピングバッグ」のような、アウトドアで使用する道具だろう。外見は正四面体そのまま。どこがどう優れているかというと、中で寝相の悪い人が寝ていると、寝返りをうった時テント自体も転がるのだ。しかし、果たしてこれは便利なのだろうか。まず第一に、転がった時に中の人がテントの壁に頭をぶつけたり、中に入れていたキャンプ道具が散らばったりするだろう。さらに、他のキャンプ客の迷惑になりかねない。周りに他のテントのあるキャンプ上でこのテントを使ったら、転がったときに他のテントにぶつかり、文句を言われたりけんかになるようなことになりかねない。また、命の危険すらある。転がっているうちに道路に出てしまったら車にひかれるだろう。アウトドアで寝るときは、キャンピングカプセルやみのむし式スリーピングバッグをおすすめする。

No.7 スカートめくり用マジックハンド

 名前を聞いただけでも「トホホ」と思う道具。外見はただのマジックハンド。しかしこれはスカートめくり専用らしい。いったい何のためにそんな目的のマジックハンドを作ったのだろう。それに、どこがどう普通のマジックハンドと違うのか。しかも、今時スカートめくりをするヤツなんてどこにもいない。未来人はまだそんな幼稚な遊びをして喜んでいるのか。いろいろ疑問は残るが、理解に苦しむ。

No.8 シャックリ止め箱

 「夢確かめ機」と似たような感じのする道具。基本的にはびっくり箱で、開けた人にとって一番怖いものがでてきて、そのショックでシャックリが止まるらしい。まぁ、シャックリはなかなか止まらないので、夢確かめ機よりは実用性は高いだろう。シャックリと一緒に心臓まで止まらないといいが。

No.9 魚動力ボート

 外見は普通のモーターボート。しかしこれは、魚を動力として動いている。よく昔の漫画では、馬の鼻先にニンジンを吊して歩かせる、なんてことをやっていたが、それと原理的には変わり無い。ボートのへさきから小魚を吊し、その後ろに網を張り、大きい魚は小魚を捕まえようと網にかかりながらも前に泳ぎ続ける。その力でボートは進むのだ。燃料費はかからないし、環境にも優しい。しかし、いくらなんでも遅くないだろうか?

No.10 ジャンケン箱

 箱の中から出てくる手がジャンケンをする。絶対に負けないらしい。しかし当然、これを使えば一目瞭然で、ズルをしたと後ろ指をさされる。結局、絶対に勝つことはできても、役には立たないのだ。悲しい・・・。


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