ドラえもん対マジンガーZ
〜「ドラえもん のび太と鉄人兵団」アナザーストーリー〜
第9話
ダブルスーパーロボット対機械獣軍団
静岡県某所にある港。いつものように、漁師達が海へ出ていっている。風もない、穏やかな天気である。だが・・・
「なっ、なんだ!?」
一隻の漁船の周りに、大きな渦巻きが発生する。すると、その渦巻きの中から一本の巨大な腕が現れた。
「うわーっ!!」
漁船は腕にぶつかり大破し、そのまま海へと沈んでいった。それをしりめに、腕の持ち主は海面にその半身を現す。双頭の機械獣、ダブラスM2である。しかも、今回は一体だけではない。渦巻きがいくつも発生し、その中からそれぞれ機械獣達が現れる。機械獣達は一路、陸を目指して海を突き進む。
「行くのだ機械獣軍団よ! 光子力研究所に総攻撃をかけよ!」
上空にはDr.ヘルを乗せたグールが、空飛ぶ機械獣ジェノサイダーF9数機を従えて飛んでいる。これまでにない数の機械獣達が、一路光子力研究所を目指していた。
光子力研究所の所内に、警報が響き渡る。
「機械獣の大軍が上陸! まっすぐにこの光子力研究所に向かっています!」
「ついに来たか! すぐに甲児君達に知らせてくれ!」
「ハイ、ヘルメット。無事に帰ってきてね」
「ありがとう。約束するよ」
パイロットスーツに身を包んだのび太が、静香からヘルメットを受け取る。
「へへっ、けっこう様になってるじゃないか」
「あんまり浮かれないでよ。これは実戦なんだから」
浮かれるジャイアンをミコトがたしなめる。
「それじゃあ、行ってきます」
「気をつけてね」
「留守ハスネ夫様トコノみくろすデマモリマス!」
「いつも悪いね、ミクロス。今度も頼むよ」
彼らがそう言ってグランドザンダクロスに乗り込もうとしたその時。
「お〜い、ドラえも〜ん!」
ドラ声がしたかと思うと、ボスが走ってきた。
「ボスさん・・・何かあったんですか?」
「オウ。実は、出ていく前に俺の頼みを聞いてほしいんだわさ」
「ボスさんの頼み・・・?」
怪訝そうな顔をするドラえもんに、ボスは密かに耳打ちした。
「ええっ!? そんなことを!?」
「いいじゃないか。減るもんじゃないし。俺も夢を叶えてみたいのよ」
ボスに頼み込まれ、ドラえもんはちょっと困った様子でポケットから何かを取り出すと、それをボスに手渡した。
「どうぞ。でも、うまくいくかどうかはわかりませんよ」
「ありがとさん! これでボロットは無敵だわさ!」
「ボス、一体何をもらったの?」
さやかがボスがもらったものをよく見ようとしたが、ボスは慌ててそれを隠した。
「おっと悪い! いくらさやかさんでも、こればっかりは見せられねえ! それじゃ、俺は改造をしに行ってくるぜ!」
そう言ってボスは、格納庫の奥に走っていってしまった。
「何しに来たの、彼・・・?」
「まあ、秘密にしたいみたいですから、僕も黙ってましょう。それじゃ今度こそ、行ってきます」
ドラえもん達はグランドザンダクロスのコクピットに乗り込んだ。ハッチが閉じ、グランドザンダクロスがゆっくりと格納庫から出ていく。
「スクランダークロース!!」
ちょうどその時、マジンガーはジェットスクランダーを装着していた。マジンガーは絶好調といった調子であたりを旋回すると、グランドザンダクロスの前に降り立った。
「よっ! 準備はいいな?」
「ハイ!」
「ちぇっ、俺達もマジンガーみたいにかっこいい発進シーンとか、合体シーンが欲しいよな」
「贅沢いわないの。機械獣がこっちに向かってきてるんだから、すぐに行こう」
「そうだぜ。よし、それじゃ行くぜ!!」
マジンガーがジェットスクランダーのロケットを吹かし、空へ舞い上がる。その後に続いてグランドザンダクロスも空へ飛び、あっというまに見えなくなってしまった。
「行っちゃった・・・」
心配そうに空の一角を見上げる静香とリルルの肩に、さやかとミコトが優しく手を置いた。
「大丈夫よ。甲児君は悪運が強いのかもしれないけど、なんだかんだいって最後には笑って戻って来るんだから。きっとそのペースに引き込まれて、ドラちゃん達も笑顔で帰ってくるわ」
「それに、あなたのジュドもついてるんだから、大丈夫よ。マジンガーZとグランドザンダクロス。このコンビなら、きっとどんな敵もかないやしないわ。信じて待ちましょう」
「ええ・・・」
機械獣軍団のもとへ向かう途中、甲児は研究所に通信をいれた。
「先生、さっきから思ってたんですけど、なんだかマジンガーにいつもよりも力があるような気がするんですけど・・・」
「さすがだな、甲児君。実はマジンガーにも、ザンダクロスと同じくパワーアップが施されているんだ」
「そうなんですか!? それじゃ、もしかして新しい武器も?」
「残念だが、それはない。純粋に出力だけが強化されている」
「なんだ・・・」
「バカにしちゃいけないわよ。新しく組み込んだ光子力サブエンジンはね、マジンガーZの出力を30%も向上させてくれるんだから」
ミコトが通信に割り込んだ。
「光子力サブエンジン?」
「今研究している例の新型光子力反応炉、あれの試作品を調整したものだよ。小型だが、かなりのパワーが出る。それに、出力が向上すれば、それだけ今までの武器の威力も上がるということだろう?」
「そうか、そうですよね! ありがとうございます、先生!」
「やっぱり、マジンガーもパワーアップされてるんだ」
「俺達だけパワーアップじゃ、不公平だもんな」
「みんな、もしかしてあれ、そうじゃない!?」
ドラえもんの声に、全員が一方向を見る。市街地の一部が炎上し、そこに巨大な何かが大量にうごめい
ている。
「間違いねえ! 機械獣だ! みんな、降りるぞ!」
「了解!」
マジンガーZとグランドザンダクロスは、燃える街へと急降下していった。
眼下の街は、すでに炎の海と化していた。そしてその中を、たくさんの機械の獣達が闊歩する。種類だけをあげても、その数は多い。以前にもあらわれたダブラスM2とガラダK7、箱形ボディの馬のようなトロスD7、ライフルを持った機械獣・ジェノバM9、空には機械獣ジェノサイダーF9が飛んでいる。しかもそれらの機械獣は一体ではなく、5、6体いるのである。Dr.ヘルはこの作戦のため、本部防衛用の最低限の兵力を除いた全ての機械獣を投入してるのである。それだけ光子力研究所やドラえもん達に対する怒りが激しいということだろう。
「ゆけーっ! 目指すは光子力研究所だ!」
「Dr.ヘル! レーダーに反応が!」
「なにっ!?」
遙か彼方の空に、二つの点が現れる。それは接近するにつれて、徐々にその姿を現していった。
「あれは・・・!?」
二体のスーパーロボットは、轟音をあげて地上に着地した。炎の色が、彼らの体の金属に反射する。
「兜甲児、このとおり、お前達をぶっ飛ばしに戻ってきたぜ!」
「グランドザンダクロス! ここに見参!! く〜っ、かっこいい!!」
二体のスーパーロボットは、それぞれ機械獣軍団に対して構えを取った。
(挿絵:邑崎九朗さん)
「現れたなマジンガーZ! それに、貴様らはあの時のガキ共だな! ワシをとことんバカにし、基地を破壊してくれた礼はたっぷりと返してくれる!」
「ヘン! いつも年寄りは大切にしろって言われてるけど、世界征服なんて考える悪い年寄りにまでそうするこたぁねえよな!」
「その通りだぜ武! 思いっきりぶちのめしてやれ!」
またしてもジャイアンにバカにされ、しかも甲児にまで合いの手を入れられ、Dr.ヘルは青筋をたてていきり立った。その勢いに、傍らにいるあしゅら男爵もブロッケン伯爵も、何も声をかけることができない。
「き、貴様ら・・・一度ならずも二度までもぉ・・・」
「おっと、あんまり怒ると血圧がまずいぜ?」
「黙れ! どのみち貴様らは倒さなければならん奴らだ! ここで潰してくれる! 機械獣軍団よ! そいつらを鉄の塊にしろ!」
Dr.ヘルの指令を受け、機械獣達が一斉にスーパーロボット達に体を向ける。
「仕掛けてくるみたいだぜ!」
「おーし、やってやろうじゃん! ドラえもん! しっかり操縦頼むぜ!」
「任せといて!」
「愚か者めが! これだけの機械獣を相手にして、勝てると思うか?」
「てやんでえ! あったりまえよ!」
「僕達のザンダクロスとマジンガーのコンビに、かなうと思うな!」
「しゃらくさいわ! やってしまえ!」
機械獣の群が動き出す。
「お前達はそっちの髑髏頭を頼む! 俺はこっちで、二つ頭と馬ロボットの相手をする!」
「わかりました! 気をつけて!」
二体のロボットは二手に分かれ、それぞれ別々の相手に向かっていった。
グランドザンダクロスの相手は、髑髏の頭をした機械獣、ガラダK7だった。数は全部で6体。その内の一体が頭の鎌を引き抜き、ザンダクロスめがけて突進してきた。
「おもしれえ! この俺様に喧嘩を売るとは、いい度胸してるぜ!」
ザンダクロスは足を踏ん張り、踏み込みを固めた。ガラダK7が突進をしてくる。と、あるリーチまで来たとき、とっさにザンダクロスは片足を前に動かした。
「ザンダクロス・・・パァァァァンチ!!」
アスファルトをグバッと弾けさせるほどの強烈な踏み込みをし、ザンダクロスが強烈なパンチをガラダK7の顔に叩き込んだ。その拳はガラダK7の顔面に深々とめり込み、機械獣は力を失ったかのように手から鎌を取り落としてゆっくりと倒れ、大爆発を起こした。
「ガハハハハ! これだよこれ! やっぱりこうじゃなきゃあなあ!」
ジャイアンが高笑いをする。だが、ガラダK7はまだ5体いる。ザンダクロスとやや距離を置いて、目からミサイルを発射した。ザンダクロスがその直撃を受け、あたりに煙が立ちこめる。だが、その中からは無傷のザンダクロスが悠然と歩み出てきた。
「ザンダニウム合金のボディーに、そんな攻撃が通用するかよ!」
甲児のまねをして、ジャイアンが誇らしげに言う。するとガラダK7達は、今度は鎌を取り外して一斉に投げつけてきた。ブーメランのように高速回転する鎌が、ザンダクロスに襲いかかる。
「遅いぜ!」
ザンダクロスが手刀をかまえ、飛んでくる鎌を次々に叩く。鎌は粉々に砕け散り、機械獣達がうろたえる。
「もう終わりか? そんなら、今度はこっちから行くぜ!」
ザンダクロスが猛然とダッシュをかける。
「スライサーチョォォォップ!!」
ザンダクロスの手刀から鋭い刃が飛び出し、機械獣にチョップを食らわせた。
ズパァッ!!
機械獣の体はまるでバターのように軽々と肩口から切り裂かれ、直後に爆発を起こした。
「ザンダクロスキィィィック!!」
続けてザンダクロスが回し蹴りを繰り出す。腹に回し蹴りをくらった機械獣は吹き飛び、後ろにいたもう一体のガラダK7を巻き込んで爆発を起こした。
「とどめだ! 真空飛び膝蹴りぃぃぃぃぃ!!」
ザンダクロスが飛び上がり、うろたえる最後のガラダK7の顔面に膝を叩き込んだ。ガラダK7の頭はもろくもくずれ、前にバッタリと倒れて爆発を起こした。
「なんだ、たいしたこともねえ・・・」
「ジャイアンすごい!」
「ヘッ、こんな奴ら、敵のうちにも入らねえぜ。もっと強い敵はいねえのかよ強い敵は」
その時、ザンダクロスの巨体に何かがあたり、機体がわずかに揺れた。
「何だ!?」
モニターには被弾を知らせるメッセージが出ている。ダメージは軽微だった。
「遠距離からの攻撃・・・?」
ザンダクロスが自動的に敵の位置を割り出し、そちらに体を向ける。はるか向こうのビルの陰に、ライフルを持った機械獣がいるのが見えた。機械獣ジェノバM9である。
「あいつか・・・。ライフルを持ってるね」
「そうなると、お前の出番だなのび太」
「任せといて」
のび太に火器管制が移される。ザンダクロスは地を蹴ると、猛然とジェノバM9へとダッシュする。ジェノバM9は慌てることなくライフルを構え、撃った。しかし、弾丸は命中するものの、グランドザンダクロスの装甲は傷つかない。
「いくぞ!」
グランドザンダクロスは、目にも留まらぬ動きで腰の光子力マグナムを抜いた。ジェノバM9はあわててライフルを捨て、ピストルを抜こうとした。だが、その動きはザンダクロスに比べてあまりにも遅かった。
ズババッ!!
光子力マグナムから光線がほとばしり、見事にジェノバM9の眉間を撃ち抜いた。機械獣はそのまま
がっくりとうなだれて倒れ、そのまま動かなくなる。
「これで一人・・・」
その時、別の方向からまたもやライフルの弾が飛んできた。見ると、5体のジェノバM9がそれぞれ
別な方向からライフルを構え、こちらを狙っている。
「ちぇっ!」
ザンダクロスはビルのかげに隠れ、それをやりすごす。次の瞬間には猛然と飛び出し、走りながら光子
力マグナムを撃った。光線に貫かれ、二体のジェノバM9がまたたくまに倒れる。残り3体の機械獣は
ライフルを捨てピストルを抜いた。
「やらせない!」
光子力マグナムが火を噴く。機械獣達の手が、ピストルごと吹き飛ばされる。武器を失い統制を失った機械獣を冷静に攻撃し、わずかの間にグランドザンダクロスは6体のジェノバM9を仕留めていた。
「へえ、あいつらやるじゃないか。それじゃ俺も、負けてられねえな」
ガラダK7達を粉砕するグランドザンダクロスの奮闘を目にした甲児はそれに触発され、視線を目の前の機械獣に戻した。機械獣トロスD7。箱のようなボディに馬のような四本足と巨大で鋭い角をもつ機械獣である。そのうちの一体が、角でマジンガーを串刺しにするべく、猛スピードで突進してきた。
「来るなら来てみやがれ!」
マジンガーはその前に仁王立ちで立ちはだかる。
ドガン!!
激しい音がした。しかし、そこにあったのは串刺しにされたマジンガーではなく、トロスD7の角を抱え込むように捕まえているマジンガーだった。トロスD7は動こうとしているがマジンガーの超パワーに押さえ込まれ、その足はむなしく地面を蹴っている。
「そーらよ!!」
マジンガーZはそのままトロスD7を持ち上げると、思いっきり投げ飛ばした。馬のような形をしたトロスD7は受け身をとることもできず派手に地面をバウンドし、大破して動かなくなった。
「すげえぜマジンガー! だんぜん力持ちになったな!」
甲児が喜んでいると、突然爆音が耳に入ってきた。マジンガーはT字交差点の真ん中に立っていたのだが、三方からトロスD7が突進してきたのである。
「猪突猛進、とかいうやつか!」
マジンガーは突然ジェットスクランダーのロケットを吹かし、空中へ舞い上がった。トロスD7達は互いに正面衝突して角を突き刺し、大爆発を起こした。残るトロスD7は一体。しかし抵抗をやめることなく、背中のミサイルを撃ってきた。ミサイルがマジンガーを直撃する。が、傷一つついていない。
「そんなもんで、このマジンガーを倒す気かよ! お返しだぜ! ロケットパーンチ!!」
発射されたロケットパンチは見事にトロスD7の横腹を貫き、大爆発を起こした。
「さあて、次にやられたいのはどいつだ!?」
すると、地上からレーザー光線がいくつも飛んできた。危うくそれをかわしたマジンガーが見ると、ダブラスM2が10体ほど集まって一斉にレーザーを撃っている。
「出たなザコ共! マジンガーZが相手になるぜ!」
マジンガーは急降下し、ダブラスM2の前に降り立った。
「ロケットパーンチ!!」
「光子力ビーム!!」
「ルストハリケーン!!」
マジンガーのもつ超兵器が機械獣を襲い、次々に爆発させていく。あっというまに、ダブラスM2の数は四体になった。
「いちいち相手するのはめんどくせえ! こいつで一気にやるぜ!」
そういうと甲児はマジンガーを一体のダブラスM2へ猛然と突進させた。そして、防御する隙も与えず、両方の腕でダブラスM2の二本ある首をそれぞれがっしりとつかんだ。
「オリャアアアアア!!」
そしてなんとそのまま、マジンガーはハンマー投げのように機械獣の首を持って回転を始めた。激しく振り回されるダブラスM2の体にぶつけられ、他のダブラスM2達が次々に吹き飛ばされていく。やがて、あまりの遠心力の強さにダブラスM2の首がちぎれてしまい、首とちぎれた体はそのままはるか彼方へすっ飛んでいき、地面にたたきつけられ爆発を起こした。
「うう・・・さすがにこれはきつかったな・・・」
あまりに激しく回転したので、甲児は軽いめまいを覚えた。普段このコクピットで派手に戦い、自然に三半規管が鍛えられた甲児だからこそできる荒技である。あたりにはダブラスM2の残骸が累々と転がっている。マジンガーZは握ったままだったダブラスM2の頭を放り捨てる。
ドカアアアン!!
別方向から爆発音がする。見ると、光子力マグナムを持ったグランドザンダクロスが、ジェノバM9を全て仕留めていた。
「よお、そっちも終わったらしいな」
「大丈夫ですか、甲児さん」
「こんなザコにやられる兜甲児さまじゃねえよ」
その時、
バシュバシュバシュ!!
上空からミサイルの雨が飛んできた。
「うわっ!」
「ちっ!」
なんとかミサイルの雨をやりすごすスーパーロボット。上空を見ると、飛行機にそのまま手足が生えたような機械獣、ジェノサイダーF9が飛行していた。なおもジェノサイダーF9は、ミサイルを撃ってくる。
「飛ぶぞ!」
「ハイ!」
マジンガーとザンダクロスが同時に飛び上がり、その直後、ミサイルが地上に着弾する。
「ロケット!」
「パーンチ!」
二体のスーパーロボットが同時にロケットパンチを放ち、それぞれに貫かれたジェノサイダーF9が墜落していく。しかしなおもジェノサイダーF9の数は多い。甲児が正面の機械獣に光子力ビームを命中させているあいだに、一体が甲児の後ろに回り込み、大量のミサイルを放った。
「しまった!?」
だが、ミサイルはマジンガーに命中する前に、大爆発を起こした。続いて、それを撃ったジェノサイダーF9も光線に貫かれ、爆発した。振り返ると、光子力マグナムを構えたグランドザンダクロスがいた。
「大丈夫ですか!? 甲児さん!」
「のび太か! 助かったぜ!」
調子をつけた甲児とのび太達は、次々とジェノサイダーF9を落としていく。
「スクランダーカッター!!」
ズバァッ!!
マジンガーがすれ違いざま、ジェットスクランダーでジェノサイダーF9を斬りつける。脇腹をかき切られた機械獣は、そのまま墜落していった。
「ザンダクロスビーム!!」
ズバババババババ!!
ザンダクロスの腹が開き、中から出現したビーム砲が発射される。青白いビームは3体の機械獣を一斉に誘爆させた。
「ふう・・・かたづいたぜ」
いつのまにか、機械獣はすでに周囲にはなく、その残骸だけが地上でくすぶっていた。
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