ドラえもん対マジンガーZ はじめに


 この小説は、ドラえもんとマジンガーZが共に戦うという「ある意味スーパーロボット大戦」な、ぶっとんだ小説です。そもそも、何故「ドラえもん対マジンガーZ」なのか。実は「ドラえもん」が毎年劇場用作品を公開しているように、「マジンガーZ」から「グレンダイザー」までに至るマジンガーシリーズが放映されていた当時、マジンガーシリーズにも「劇場版マジンガーシリーズ」という劇場用作品がありました。そのほとんどが「マジンガーZ対デビルマン」「グレートマジンガー対ゲッターロボG」といったように、「マジンガーZ」の作者である永井豪先生が手がけるデビルマンやゲッターロボといったような他作品の主人公とマジンガーが戦うようなタイトルですが、実際はそうではなく、彼らが互いに手を取り合って強大な敵に立ち向かう姿を描いています。この小説を書こうと思った理由は「ドラえもん」でそれを書きたいというのと、単純にマジンガーZと主人公である兜甲児のキャラが好きであるという、どちらも単純な理由からです。 「ドラえもん」と「マジンガーZ」という全く異なる作品を融合させるために、今回は数ある「ドラえもん」劇場用作品の中でも唯一巨大ロボットによる戦闘が描かれた「ドラえもん のび太の鉄人兵団」をベースとして描いています。これによって、若干つながりがよくなったように思っていますが・・・。
 最後に、このページをご覧になっている方はドラえもんファンの方が多いと思いますので、簡単に「マジンガーZ」についての解説を行います。「マジンガーZ」は1972年12月3日から1974年9月1日まで、全92話にわたって放映された巨大ロボットアニメです。原作は「デビルマン」や「ゲッターロボ」、「キューティーハニー」などで知られる永井豪先生ぼ同名マンガ。世界征服を企む悪の科学者、Dr.ヘルが送り込む敵ロボット・機械獣に、正義のロボット、マジンガーZが立ち向かうというのがおおまかなストーリーの骨組みです。しかし特筆すべきなのは、マジンガーZがそれまでの鉄人28号やマグマ大使などの巨大ロボットと違い、人間が乗り込んで操縦するという新しいアイディアを取り込んだところにあり、これはその後の日本ロボットアニメの王道となりました。また、途中からマジンガーZが飛行用パーツ・ジェットスクランダーを装着して飛べるようになるなど、ロボットのパワーアップも盛り込まれました。このとても強くてかっこいいスーパーロボットの姿に、当時の子供達は夢中になったわけです。

 書き始めてしばらくしてから気がついたのですが、「ドラえもん」と「マジンガーZ」、この二作品の間には、実は浅はかならぬ因縁(?)があったのです。現在「ドラえもん」のアニメ作品というと、テレビ朝日系で放映されているものをすぐに思い浮かべると思いますが、実はそれ以前にも「ドラえもん」はアニメ番組として放映されていたことがあるのです。日本テレビ系列で放映されていた、通称「日テレ版ドラえもん」がそれです。これは昭和43年に放映されていたのですが全く人気が出ず、わずか半年で打ち切りになってしまいました。そしてその原因の一つが、なんと「マジンガーZ」が裏番組だったということです。しかも、このときドラえもんを担当していたのはお馴染み大山のぶ代さんではなく、富田耕生さん(14話まで)でしたが、同じ頃彼は「マジンガーZ」で敵の首領、Dr.ヘルの声を担当していたのですから、なんとも皮肉な結果に思えます。
 とにもかくにも、この小説の中ではドラえもんとマジンガーZはそんな過去の確執(?)など忘れ、互いに手を取り合って強大な敵に立ち向かいます。マジンガーZを知らない人にもわかりやすいように、そしてできるだけ両作品のもつ雰囲気を壊さないように全力を尽くしますので、二大スーパーロボットの勇姿を温かく見守ってください。

トップに戻る inserted by FC2 system