〜ドラえもん のび太と異世界の盗賊〜


第12話


扉の向こうには…




イメージBGM:古代フィールド
 ドラえもん達が隠れ家の外に出ると、門番のはずのフィネガンの姿は無かった。
(ドラえもん、ひみつ道具判定…成功)
 「あいつはどこ行ったんだろう…まあ良いか。さ、邪魔が入る前に…どこでもドア!」

 外に出ると早速、ドラえもんはどこでもドアを出し、ドアを開けた。ドアの先はカラメールの門の前だった。

 「…良かった。ぼくの思った通り、この世界でもちゃんと使えたぞ。やっぱり海図を記憶させたのが良かったんだな」

 「…!? こ、これは…」

 「…すごい。話には聞いていたけど、本当に一瞬でカラメールまで戻れるんだな…」

 驚くバーナバスと共に、6人はドアをくぐってカラメールに戻った。話には聞いていたとはいえ、どこでもドアを初めて使ったダッパも、目を丸くしていた。

 「バーナバスさん、ここはカラメールの街です。ここならあのジャングルよりはずっと安全ですよ」

 ドラえもんが説明する。するとバーナバスは6人に土下座した。

 「…命を助けてもらって、正気に戻させてもらって、服も直してもらって、傷も治してもらって、おまけに安全なところに連れていってまでもらえて、本当にあんた達には、 一生感謝しても足りないくらいだ。あんた達はまるで神様だ。本当に、本当にありがとう…」

 「そ、そんな、良いんですよ。ボク達は神様なんかじゃありませんし、困っている人を助けるという、人として当然の事をしたまでですから…」

 のび太が照れながら答える。

 「し、しかし、本当にこれも、わしが全部もらってしまっても良いのかね?」

 バーナバスは右手に持っている袋を見せて言う。それには円盤人が賭け事に使っていた金貨が詰まっており、隠れ家から出る時、ドラえもん達はそれを持ち出してバーナバスに譲ったのだ。

 「戦って勝った方が、負けた方の持ってる物を全部もらえる、って言ったのはあいつらだ。勝った俺達が、あんたにやるって言ってるんだから、大人しくもらっとけよ」

 「しかし、それならあんた達だって、もらう権利はあるだろうに…」

 「良いんですよ、そんなはした金。僕の家は金持ちなんです。こう見えても僕、雲の王国の大株主になった事だってあるくらいなんですから…って、この世界の人に、株主なんて言葉、分からないか」

 「オイラ達は別に、金が欲しくて戦ったわけじゃありませんから」

 「それじゃ私達は戻ります。まだやるべき事がありますから。バーナバスさん、さようなら。これからのあなたの人生、頑張って下さい」

 6人はバーナバスに別れを告げ、どこでもドアをくぐって謎かけ盗賊の隠れ家に戻った。そして、ドラえもんがドアをポケットにしまった事で、バーナバスの前に残っていたドアも消えた。

 ドアが消えた後も、バーナバスはひたすらドラえもん達に感謝の言葉をつぶやき続けていた。


イメージBGM:ボスダンジョン
 バーナバスをカラメールに送り届けたドラえもん達は、そのまま開いている扉から謎かけ盗賊の隠れ家のホールへと戻った。

 するとホールに、どこからともなく、子供のような小柄な人物がぱっと現れた。

 「わっ! 君は確か…フィネガン!」

 驚きながらドラえもんが叫ぶ。

 「どこへ行ってたのさ? 門番が扉を開けっぱなしにしたまま、持ち場を離れるなんて…」

 スネ夫の質問に対し、フィネガンはニヤニヤしながら答える。

 「へへっ、ちょっと記念品を探しに行ってたのさ」

 「記念品って?」

 「さっき、うまくお手玉を続けられた君にあげようと思ってね。これを見つけてきたよ」

 フィネガンはそう言うと、右手の指を鳴らす。するとスネ夫の手の上に、小さな植物の葉がひらひらと落ちてきた。よく見ると、それは5つ葉のクローバーだった。

 「それは君達に幸運をもたらす葉さ。それじゃ、確かに渡したよ!」

 フィネガンはそう言って、現れる時同様にぱっと姿を消した。

 クローバーの葉はスネ夫の手の上で、キラキラと光っている。

 「…綺麗なクローバーね」

 「…ふん、くだらない」

 一蹴するスネ夫だったが、ダッパは興味を示していた。

 「いや、これの効果は本物かも知れないな。みんなの世界ではどうだか知らないけど、この世界には、魔法の力で本当に幸運をもたらすお守りが存在するんだ。 そのクローバーの輝きは、魔法の力によるものかも知れない」

 「持っていて損はなさそうじゃん。スネ夫、そのまま持っていたら?」

 「…そうするか」

 ダッパの話を聞いたスネ夫は、のび太の言う通りクローバーをポケットにしまう事にした。

 その後6人は次に何処へ行くかを相談し、ホールに入って右側の壁の、真ん中の扉を試す事にした。円盤人の部屋の隣である。



 扉の向こうは、白と黒のモザイクタイルで床が張られた、細長いホールだった。ホールの両側には押入れのような小さな扉が4つずつ付いている。それぞれの扉には、何やら書付がしてある。

 6人は手分けして、1つずつ扉の書付を読んだ。それらはどれも、なぞなぞだった。

 しずかの前の扉には、以下のなぞなぞが書かれていた。


  ぼくらは二人の兄弟で 損と得との調停者 ぼくらのまわりで大勢が 必死になって目を見るけど 勝つのもいれば負けもいる 連中だって知っている
  勝つのは少なく 負けはたっぷり 偶然だけで動くのに 誰もがぼくらの運を求める


 「うーん…サイコロか何かかしら?」

 そう言いながら扉を開けるしずか。扉の向こうは、やはり押入れだった。そして押入れの中には、大きなサテンのクッションが置いてあり、さらにその上にあるのは…

 「…あら、サイコロだわ」

 そこにあったのは、しずかの予想通り、2つの小さなサイコロだった。しずかはそれを手に取ったが、何も起こらない。

 「どうやらここの押入れには、なぞなぞの答えになる物が入ってるみたいだね」

 ドラえもんが言う。

 「でもこのサイコロ、一体何かな? ただのサイコロに見えるけど…」

 「でものび太さん、もしかしたら魔法のサイコロかも知れないわ。持っていきましょう」

 しずかはそう言うと、2つのサイコロをポケットに入れた。

 「よーし、ボクも開けてみよう」

 のび太は目の前の押入れを、なぞなぞを解こうともせずに開けた。ちなみにそのなぞなぞの内容は…


  君はいないところにいるし いられるはずのないところにいる それでも君はいつもいる 私の目が届くところに


 勢いよく扉を開けたのび太。そこから現れたのは…

 「…わっ! 誰だお前は!?…って、あれ…?」

 押入れの中には、のび太にそっくりの少年が…いや、大きな鏡があるだけだった。

 「…何だ、鏡か…」

 「なぞなぞの答えは”鏡に映った自分”だったのね」

 「おいのび太、鏡くらいで騒ぐなよな。人騒がせが」

 スネ夫はのび太をなじりながら、目の前のなぞなぞを読んだ。その内容は以下のようなものだった。


  私が1人で住んでいる 小さなお家にゃ扉も窓もない お外に出ようと思うなら 壁を破らにゃしょうがない


 「うーん…ヒヨコかな?」

 そう言いながら扉を開けると、そこにはベルベットのクッションと、その上に乗せられた、宝石のように輝くオレンジ色の卵が1つあった。

 「…卵? いや、これはただの卵じゃないな…そうだ、ヨッカ卵だ! ラッキー」

 喜んでその卵…ヨッカ卵を拾い上げるスネ夫。

 「良かったねスネ夫。もしかしたら、あのクローバーの効き目かもね。でもそれは、ぼくのポケットに入れておこう」

 「えーっ、何でだよ? 僕が見つけたんだから、僕が持ってるよ」

 「卵は割れ物なんだから、服の中に入れたりしたら、いつ割れるか分からないだろ。それに、ヨッカ卵は割ると火の鳥が出る危険物なんだから」

 ドラえもんの言葉に、スネ夫は渋々承知し、ヨッカ卵はドラえもんのポケットの中に保管された。

 ジャイアンは目の前のなぞなぞを考えていたが、やがて面倒くさくなって扉を開けた。なぞなぞの内容は以下の通りである。


  持っていたってそうとは言わぬ もらった者も気がつかぬ そうだと分かりゃ欲しがらぬ


 押入れの中には、黄金色に輝く、丸くて薄い、小さな物体が山積みにされていた。

 「やった! 金貨だー!」

 押入れの中の物体――たくさんの金貨の一部を手に取って喜ぶジャイアン。どう見ても300枚はくだらない量だった。

 するとスネ夫が、金貨のうちの1枚を拾って調べ始めた。

 「…ねえジャイアン、こんなに都合良く財宝が手に入ると思う? この金貨、偽物だよ。ほら」

 スネ夫はジャイアンに、先ほど拾った金貨を見せて、その端の方をこすってみせた。すると、金の部分が剥がれて中の金属が見えた。

 「そっか。確かに持っててもそうとは言わないし、もらった人は気がつかないし、偽物だと分かったら欲しがらないね」

 納得するのび太。

 「…に、偽物だなんて…そ、そんなの、最初から分かってたぞ! お、俺がこんな物に騙されるわけねえじゃねえか…何だい、こんな物!」

 ジャイアンは誤魔化しながら、手に取った偽金貨を床に叩きつけた。

 ドラえもんは目の前のなぞなぞに頭を悩ませていたが、やがて諦めたのか、扉の取っ手に手をかけた。なぞなぞの内容は…


  足は千本あっても歩けないものは何?


 「全く、ヒントが少なすぎるよ。まさかズボン500枚なんて言うんじゃないよね…わーっ!」


ザザザザザザーッ!


 扉を開けた途端、ドラえもんは押入れの中身の雪崩に巻き込まれる羽目になった。押入れの中身は、本当に500枚のズボンだったのである。

 ズボンの山に頭まで呑まれたドラえもんだったが、何とかズボンの山の中から顔だけ出す事ができた。

 「ドラちゃん、大丈夫?」

 「アハハハハ。ドラえもん、答え当たったじゃん」

 「ギャハハハ。危ない物じゃなくて良かったじゃん」

 「ガハハハハ。まるで照る照る坊主だな」

 腹を抱えて笑うのび太、スネ夫、ジャイアン。その後ろで、ダッパもクスクス笑っている。

 「もう! 笑ってないで早く助けてよー」

 身動きの取れないまま抗議するドラえもん。やがてのび太、スネ夫、ジャイアンがズボンの山をどかし始める。

 その頃、ドラえもんの救出をのび太達に任せる事にしたダッパは、なぞなぞの答えを考えながら、開けようか開けまいか迷っていた。それには以下のなぞなぞが書かれていた。


  ちょうど壁の隅あたり 私は獲物を待っている 手も無ければ編み棒も無いが 私は網を張るのが上手 なのに食卓は空っぽが多い


 「この答えは…クモかな? だとしたら危ないかもな。でも…そうだな。もしクモだったら、すぐに踏み潰せるように準備しておこう…」

 そうつぶやきながら、ダッパは少しずつ扉を開いていった。だがその時、突然扉の内側から、毛むくじゃらの細長い物体が現れたかと思うと、扉が内側から開かれた。


イメージBGM:通常戦闘
 「わっ!」

 「? どうしたのダッ…出たぁ〜っ!」

 「うわぁーっ!」

 「キャーッ!」

 「ギャーッ!」

 「ク、クモだぁ〜!」

 ダッパ、のび太、ドラえもん、しずか、スネ夫、ジャイアンが立て続けに悲鳴を上げる。押入れから出てきたのは、全長1メートルほどの巨大なクモだった。
(ジャイアン、ダッパVS大グモ(二人同時攻撃可能) 戦闘判定…大グモの攻撃がジャイアンとダッパに命中)
 動揺しつつも、ショックスティックとスーパー手袋を装備するジャイアンとダッパ。だが2人とも、ほとんど不意打ちに近い状態で出現した大グモに対処しきれなかった。


ガツンッ!


 「「うわぁっ!」」

 ジャイアンとダッパは、2人まとめて大グモの前足で弾き飛ばされてしまった。

 「ジャイアン! ダッパ君!」

 叫ぶドラえもんだったが、未だにズボンの山に呑まれていて動けずにいた。

 ジャイアンとダッパにさらに追い討ちをかけようとする大グモだったが、そこへのび太、しずか、スネ夫が一斉射撃を仕掛けた。
(のび太、しずか、スネ夫、射撃判定…のび太、しずか、成功。大グモに命中)

バシュッ! バシュッ! バシャッ!


 スネ夫の瞬間接着銃は外れたが、のび太としずかのショックガンは命中し、大グモを怯ませた。

 その隙にジャイアンが立ち上がり、大グモに突進する。

 「お返しだっ!」
(ジャイアン、ダッパVS大グモ(二人同時攻撃可能) 戦闘判定…ジャイアンの攻撃が命中)

ズビビビビビッ!!


 ショックスティックを突き立てられた大グモは、あっさりと黒焦げになって倒れた。


イメージBGM:ボスダンジョン
 動かなくなった大グモを元の押入れの中に押し込んだジャイアン達は、ようやくズボンの山から抜け出したドラえもんと共に、残り2つの扉の、なぞなぞの答えを考え始めた。

 残り2つのうち、片方のなぞなぞの内容は以下の通りである。


  曲がった足に 長い足首 ガラスの目玉に 濡れた鼻先


 そしてもう片方のなぞなぞは…


  沼地の汚れた水の中 私はどこでも現れる たまたまついたその名前 血糊の臭いがするみたい 私がゴクリとやるのは 真っ赤な血潮なのだから
  骨もなければ足もなく 腕にしたって持ってない それでもうまく使ったら 健康もたらす口を持つ


 「…ねぇ、これの答えって…ま、まさかカエル…!?」

 カエルが苦手なしずかは、自分で言いながら青ざめる。

 「こっちは…うーん、ヒルかな…?」

 スネ夫が首を傾げながらつぶやく。

 「…どっちも開けない方が良さそうだね」

 ドラえもんが言う。

 「そうだな。もしオイラの時みたいに、でかい奴が出てきたりしたら…」

 「もうこんな物放っておいて、行こうぜ!」

 「賛成ー! これ以上、怖い物に出てこられたら嫌だし」

 ジャイアンとのび太の意見に反対する者はおらず、6人は部屋を出た。だが6人はホールで、また怖い物に出くわす羽目になった。


イメージBGM:通常戦闘
 6人がホールに出ると、井戸のそばに不気味な怪物が座っていた。その怪物は、コウモリのように革で張られた翼や、よだれを垂らしている大きな顎や、むかつくようなうろこを持ち、 不格好な体型をしていて、6人がこれまでに見た怪物の中でも最も不快な怪物だった。

 「……」

 その怪物の姿を見た6人は、そのあまりのおぞましさにすくみ上がり、言葉を失っていた。そして怪物が6人の方を向き始めた…

 「「「「「「ギャアァァァ!」」」」」」

 ようやく口と足が動くようになった6人は、恐怖のあまり、悲鳴を上げながら今出てきたばかりの部屋に逃げ帰っていく。

 押入れの部屋に逃げ帰ったドラえもん達。最後に入ったスネ夫が慌てて扉を閉める。

 「…あーびっくりした…」

 「あ、あの怪物、ものすごく怖かったわね…」

 「いきなりあんなのが出てきやがるなんてな…」

 「何とか逃げられて良かったな…」

 「ほんと良かったよ、全員逃げられて…あれっ、のび太君は!?」

 ドラえもんの言葉に、5人はようやく気付いた。のび太を置いて行ってしまった事に…

 一方のび太は、押し入れの部屋の扉の前で四つん這いになっていた。逃げ帰る途中で転んで遅れてしまい、追いつく前にスネ夫に扉を閉められてしまったのだ。

 のび太は思わず怪物の方を向き、のび太の方を向いた怪物と向かい合った。そして…


ギャアアアアアァァァァァ!


 恐怖の悲鳴が響き渡った。その声は、押入れの部屋にいたドラえもん達の耳にも届いた。

 「の、のび太さんが!」

 「あわわわわわ…」

 慌てるしずかとスネ夫。

 「み、みんな。の、のび太君を助けに行こう!」

 「よ、よし。み、みんな、準備は良いな?」

 「お、おう…」

 震えつつも武器を用意し、扉を開けた5人。次の瞬間、彼らが見たものは…

 「「「「「!?」」」」」

 5人が開けた扉に背を向けた状態で、のび太が腰を抜かしていた。そしてその前方には、ちょうど向かい側にある扉へと、すすり泣くような声を上げながら突進していく怪物の姿があった。

 怪物は扉の前で戸惑っていたが、やがてドアノブを掴んで扉を開け、その中に飛び込んで扉を閉めてしまった。


イメージBGM:ボスダンジョン
 「…のび太さん、大丈夫?」

 「…う、うん。ボクは平気だよ…」

 「の、のび太君。一体何があったの…?」

 呆気に取られる5人に、のび太はここで起きた事を説明した。

 のび太と怪物が向かい合った後、怪物が凄まじい悲鳴を上げたかと思うと、のび太に何もせずに、向かい側の扉へと逃げていったのだという。あの悲鳴はのび太のものではなく、怪物のものだったのだ。

 「…う、嘘だろ…あんなにすごい怪物なのに…」

 「…そうだ。今思い出したけど、ハメット先生からトレムローっていう怪物の事を習った事があったな。この大陸で一番恐ろしい姿をしてるけど、この大陸で一番臆病な怪物で、だからこそ恐ろしい姿をしているって。 もしかしたら、今のがそれだったのかな…」

 「つ、つまり、見掛け倒しって事…? 怖がって損した…」

 気が抜けて思わずへたり込むスネ夫。



 気を取り直した6人は、相談の末、ホールに入って左側の壁の、右の扉を試す事にした。先ほどトレムローが逃げ込んだ、真ん中の扉に入る気にはなれなかったようだ。

 扉の向こうは細長い部屋になっていた。壁も床も天井も、むき出しの木でできている。

 6人のそばに、背丈や体格が6人と同じくらいの、何人かの人物が身動きせずにじっと立って、扉が1つ付いた奥の壁の方を向いている。

 「な、何だよこいつらは…」

 ジャイアンが身構える。だが部屋の中の人物達は6人に気付いていないのか、6人の方を振り向くどころか、全く動かない。

 6人は警戒しながら、部屋の中の人物達を観察する。それは6人おり、後ろ姿だけ見る限りでは、腰にホルスターを付けて顔にメガネらしき物をかけた人物と、青いダルマのような姿をした人物と、 尖ったトサカのような髪型をした人物と、太っていて力のありそうな人物と、二つ結びのお下げ髪の女性と、頭にアイパッチらしき物を付けている人物だった。6人とも背は低く、子供のようだ。

 「…まさか!」

 ある事に気付いたドラえもんは、走って部屋の人物の前に回り込んだ。他の5人も後に続く。そして正面から見ると…

 「…これ、ボク達じゃないか!」

 そう、部屋にいる人物達は、ドラえもん達6人にそっくりだった。6人は試しに、そのそっくりさん達を触ったり持ち上げたり殴ったりしてみたが、全く動かなかった。

 「どうやらオイラ達そっくりの人形のようだな」

 「謎かけ盗賊の奴、こんな物作ってどうするつもりなんだろ」

 スネ夫が首を傾げる。

 「くだらねえ。そんな物放っておいて進もうぜ」

 6人は人形を元の位置に立たせると、奥の扉の方へと進んだ。

 部屋の真ん中辺りまで進んだところで、のび太は後ろを振り返った。そして、首を傾げる。

 「…?…」

 「のび太さん、どうしたの?」

 「ねえ、あの人形、何だかさっきよりも、こっちへ近付いてる気がしない?」

 「何言ってんだよのび太、気のせいだろ。大体、あの人形はさっきと同じポーズのままじゃないか」

 スネ夫の言う通り、人形達は先ほどと全く同じポーズを取っており、微動だにせずにいる。

 「うーん…ま、いっか。行こう」

 のび太はあまり気にせずに、扉の方へ向かう事にした。そして6人が扉までたどり着いたところで、今度はダッパが後ろを振り返った。

 「…ん? 変だな…」

 「ダッパ君、どうかしたかい?」

 「あの人形、あんなところに立ってたか?」

 「何だよダッパまで。俺達がここに入った時から、人形はあそこに立ってただろうが」

 「いや、人形の位置が、最初に立ってたところよりもずれてる気がして…」

 「でも言われてみれば、あの人形、ぼく達が入ってきた時よりも、ずいぶんこっち側に立ってる気がするね」

 ドラえもんの言葉を聞いて、6人は警戒しながら人形を見つめた。確かに最初に立っていた場所よりも、かなり扉の方に近付いた位置に立っているようだ。だが、人形が動く気配は無かった。

 「ねぇ、まさかあの人形って、キメラの剥製や合成人間みたいな動く人形で、隙を見て僕達を襲ってくる、なんて事は無いよね…?」

 スネ夫が警戒しながら人形を眺める。

 「でも、それならどうしてすぐに襲ってこないのかしら? 後ろから不意を突くんなら、そのチャンスはあったはずなのに…」

 「…もしかしてあの人形、”だるまさんが転んだ”をする人形、なんて事はないかな?」

 「バカ言え。そんなくだらねえ事する人形があるかよ」

 「そうだよ。そもそもぼく達の世界じゃないんだから、そんな遊びがあるとは思えないよ」

 のび太の意見に、呆れながら答えるジャイアンとドラえもん。するとダッパが反応した。

 「何だい、その”だるまさんが何とか”って?」

 「”だるまさんが転んだ”だよ、ダッパ君。うーん…簡単に言えば、相手に少しずつ近付いていって、相手に触れば勝ち、っていう遊びだね。ただし、相手が振り向いている間は動いちゃいけないんだ」

 「ふーん…そういえば、確か八幡国っていう国に、そんなルールの遊びがあるって、聞いた事があるな…」

 6人はとりあえず、ジャイアンが扉を開けている間、他の者が人形を見張っている事にした。

 扉が開いた後でも人形はやはり動かなかったが、6人は何か悪い事が起きる前に部屋を出る事にし、急いで開けた扉の向こうへと入り、すぐに扉を閉めた。



 次の部屋は、部屋自体は特に特徴のない、四角い部屋だった。床には大きな皿のようなものが3つ、落ちている。それらには、四方に短い手が生えている。そして3つのうちの1つは黒焦げになっていた…

 「…っておい、こいつらは、俺達がやっつけた皿人間じゃねえか!」

 「ジャイアン、円盤人だよ」

 「それどころか、この部屋はオイラ達がバーナバスさんを助けた部屋そのものだ!」

 「どういう事? 私達、あの人形の部屋の扉を通ったはずなのに…」

 困惑する6人。ドラえもんはとりあえず、今入ってきた扉を開けてみた。すると…

 「…あれ? ボク達、人形の部屋からこの部屋に来たのに…」

 首を傾げるのび太。さっきまでは人形の部屋に繋がっていたはずの扉が、今ではホールに繋がっていた。

 「…でも、ぼく達が最初にこの部屋に来た時は、ホールから来たんだよね。だから、この扉がホールに繋がっているのはおかしくないんだ。人形の部屋からこの部屋に来られた事の方がおかしいんだ」

 「全く、何がどうなっていやがるんだ…」

 腕組みしながらジャイアンが言う。するとダッパがその答えを出した。

 「…もしかしたら、人形の部屋の扉は、一種の転送魔法がかかってたのかも知れないな」

 「転送魔法がかかってた…つまり、どういう事?」

 「つまり、どこでもドアみたいに、扉を開けたら、離れた別の場所に繋がるって事だろ」

 理解できていないのび太に、スネ夫が分かりやすく説明する。

 「それだったら説明がつくわね。それじゃ、あの扉はうまく使えば、どこでもドアみたいに好きな場所に行けるのかしら?」

 「しずかちゃん、それはないと思うよ。どこでもドアと違って、わざわざこの扉と重なるように繋がってたし。ぼくが思うに、この家のこの階の扉にしか繋がらないんじゃないかな。それに、 発売中止になったどこでもガスみたいに、どこに出るか分からないみたいだし」

 扉の謎を解いた6人は、とりあえず扉を通ってホールに戻った。



 6人がホールに戻った、その時だった。

 6人が出てきた部屋の向かい側にある扉が開き、見覚えのある人物が顔を覗かせて、あかんべーをしたかと思うと、すぐに顔を引っ込めて扉を閉めたのだ。その人物は…

 「ねえドラえもん、今のは…」

 のび太の言葉にドラえもんが頷く。

 「うん。謎かけ盗賊だった!」

 「あの野郎、あんなところにいやがったのか。行くぜ! とっ捕まえてやる!」

 他の5人が止める間もなく、ジャイアンは扉に突撃した。

 「待ってよジャイアン。謎かけ盗賊があんな事をするなんておかしいよ。絶対に何かの罠だって」

 「タケシさん、危ないわ!」

 「あれはきっと、オイラ達を誘い込もうとしてるんだ」

 スネ夫達の声もジャイアンには届かず、ジャイアンはそのまま扉を開けて中に突撃してしまった。

 「…全く、ジャイアンもしょうがないなあ」

 「…みんな、ぼく達も行こう。ジャイアン1人じゃ心配だ」

 のび太が呆れた後、ドラえもんの言葉と共に、5人もジャイアンを追って部屋に入った。



 その部屋は食堂だった。部屋の端から端まである長い堂々たるテーブルの上には、おいしそうなごちそうが並んでいる。テーブルを前に居並ぶ客達は皆、戦士や魔法使いのような格好をしており、 無表情のまま、椅子に腰掛けて微動だにしない。テーブルの一番奥の端に謎かけ盗賊が座り、無表情に押し黙って6人を見ていた。

 「うわぁ、すごいごちそう…」

 「のび太君、それどころじゃないって…」

 ごちそうに見とれるのび太に突っ込むドラえもん。しずかはテーブルに並ぶ客達を見回した。

 「この人達は、一体何かしら…」

 「またさっきの僕達みたいに、人形なんじゃないの? 動かないしさ」

 「だとすると、あの謎かけ盗賊も人形かも知れないな…」

 ダッパの言葉は聞こえていなかったのか、ジャイアンはショックスティックを構えながらテーブルに歩み寄る。

 「やい謎かけ盗賊、ついに追い詰めたぞ! 覚悟しやがれ!」


イメージBGM:通常戦闘
 すると謎かけ盗賊は表情1つ変えないまま動き出し、偃月刀を抜いてテーブルの上に乗り、6人に襲いかかる体勢を取った。

 「う、動いた! それじゃああいつは…」

 「違うよのび太。あれは動く人形だ。表情が変わってないし」

 人形の顔を見ながらダッパが言う。

 「やっぱり罠だったって事ね」

 「みんな、あいつが僕達の方に向かってくるよ!」

 「ようし、みんな、行くよ!」

 ドラえもんの掛け声と共に、のび太としずかがショックガンを、ドラえもんが空気砲を構えた。
(のび太、ドラえもん、しずか、射撃判定…3人とも成功。謎かけ盗賊の人形に命中)

バシュッ! バシュッ! ドカンッ!


 3人の一斉射撃が謎かけ盗賊の人形の胸を直撃した。6人目掛けて突進していた人形は、その攻撃を受けて簡単に吹っ飛び、奥の壁に叩きつけられて、くるんと1回転しながら テーブルの上に仰向けに落ちた。


イメージBGM:ボスダンジョン
 「…ちえっ、せっかく俺がやっつけてやろうと思ったのに。ま、人形なんかやっつけたってしょうがないか」

 悪態をつくジャイアン。だがここで、新たな異変が起こった。

 落ちている謎かけ盗賊の人形は、先ほどの一斉射撃で胸が破れていたのだが、その破れた部分から、ねばねばした糊状の物が吹き出したのだ。しかもそれはどんどん膨れ始め、 あっという間に部屋の半分ほどを埋め尽くしてしまった。

 「な、何だよあれ…」

 「どんどん膨らんでいるわ。まるでパンが膨らんでるみたい…」

 「…って、まずい! このままじゃぼく達も巻き込まれる!」

 ドラえもんの言う通り、膨らむ糊状の物体は6人を巻き込まんばかりに迫っていた。6人は急いで扉を開けてホールに戻り、扉を閉めた。

 「…あーびっくりした…」

 「…多分、最初に見た謎かけ盗賊は幻影だったんだな。あの人形があかんべーなんてできるとは思えないしな」

 胸を撫で下ろすのび太と、ホールでの出来事を分析するダッパ。

 「…全く謎かけ盗賊の奴、妙ないたずらばっかりして…あんな人形まで作って…って、そうだ!」

 ぶつぶつつぶやいていたスネ夫が、突然大声を上げた。

 「スネ夫、どうしたの?」

 のび太がスネ夫の顔を覗き込む。

 「ねえ、僕達がこの階を調べてたのって、あの扉を開ける方法を探すためだったよね? あの扉に付いてる目玉が、謎かけ盗賊しか通してくれないから。だったらさ、あの人形の頭を外してかぶれば、 謎かけ盗賊に化けられるじゃん!」

 「そうか! スネ夫、よく思いついたぜ!」

 「…でも、この部屋はあの糊みたいな物で埋まってるんじゃないの? そんな中で、あの人形を取れるかしら?」

 「うーん、とりあえず部屋がどうなったか、見てみよう」

 ダッパがそう言って扉を開けると、部屋の中はしずかの予想通り、半透明の糊のような物体で埋め尽くされ、その糊のような物体はカチカチに固まっていた。

 「やっぱり…これじゃ、人形を取るのは無理だね…いや、待てよ。あれを使えば…」
(ドラえもん、ひみつ道具判定…成功)
 ドラえもんは通り抜けフープを出し、固まった糊の真ん中あたりに貼って、その中を通り始めた。フープの先はドラえもんの狙い通り、謎かけ盗賊の人形のある部分に通じた。

 ドラえもんはフープを通して人形を引っぱり出してからホールに戻った。ただでさえ胸の部分が破れていた上に、固まった糊の中から無理やり引っぱったため、人形はほとんど破けてしまったが、 頭部は何とか使えそうだった。



 6人は早速、目玉の付いた奥の扉へと向かった。扉は相変わらず閉じたままであり、目玉の下には「あっちへ行け、仕事中だ」となぐり書きしてあった。

 「…あれ? これって前に僕達が見た時とは、違う事が書いてあるよ」

 「そう言えばそうだわ。確か前は「立ち去れ、俺は忙しい」って書いてあったのに」

 スネ夫としずかが不思議がる。

 「これもこの家の、魔法の仕掛けの1つなんだろうね。まあいいや、ダッパ君、さっきの奴を試してみて」

 ドラえもん達の後ろから、謎かけ盗賊の人形の頭部をかぶったダッパがやって来て、目玉の前に立った。すると、扉はひとりでに開いた。

 「わっ! 本当に開いた! これで先に進めるね!」

 のび太は喜び、思わずダッパの前に立った。するとその途端、扉はひとりでに閉まった。

 「お前はご主人様ではない、お前はここに入れない!」

 扉は例のキーキー声を上げた。

 「…この扉は、謎かけ盗賊本人しか通さないみたいだな…困ったな、この人形の頭は1つしかないし…」

 「そんな。ここまで来てそりゃないぜ。何とかならないのかよ…」

 ダッパとジャイアンの言葉に、どうするべきかと考え込む6人。するとドラえもんが、ある事を思いついた。
(ドラえもん、ひみつ道具判定…成功)
 「そうだ! あれを使えば…あった。変身ドリンク!」

 ドラえもんはポケットから、飲んで人や動物を強くイメージすると、その人や動物に変身できる飲み物・変身ドリンクが5本入った箱を取り出した。

 「これを飲んで化けたい物を想像すれば、それに化けられるんだ。ダッパ君は人形をかぶってここを通って、ぼく達はこれを飲んで、謎かけ盗賊に変身して通ろう…って、どうしたの、みんな?」

 「「「「「……」」」」」

 明るく言うドラえもんだったが、他の5人は彼に、微妙な視線を送っていた。

 「…ドラえもん、最初からそれを出していれば、ここを通れたんじゃないの?」

 「…ドラえもん、まさか忘れてた、なんて言うんじゃないよね…?」

 「…こんな人形1つ手に入れるのに、あんなに苦労してたのは一体何だったんだ、おい?」

 のび太、スネ夫、ジャイアンがドラえもんに詰め寄る。

 「そ、それは、その…あ、ド、ドリンクは5本しかないから、1人分足りなくなるでしょ? そ、それにこのドリンクは、化けたい物を強くイメージしないと、そっくりに変身できないんだ。 だ、だから、変身する時のモデルになる物があった方が良いかなーって…」

 咄嗟にうまい誤魔化しを思いついたドラえもん。3人は呆れながらも、ドラえもんの主張が一理ある事を認めて引き下がった。

 「でもドラちゃん、いきなり謎かけ盗賊が6人も出てきたら、この扉に怪しまれないかしら?」

 「オイラもそう思うな。だから一旦ここから離れて、1人ずつ通った方が良いかもな」

 しずかとダッパの指摘はもっともだった。6人は一度扉から離れ、井戸の裏側に隠れると、ダッパ以外の5人は変身ドリンクを飲み、人形の頭をかぶったダッパをモデルにして謎かけ盗賊に化けた。

 「…でも大丈夫かな? あの扉、謎かけ盗賊が通った後で、また謎かけ盗賊が現れたら、怪しんで開けてくれない、なんて事は無いかな?」

 「…のび太君にしては鋭い指摘だけど、その心配は無いと思うよ。あの目玉自体は、あんな人形の頭に騙される程度の頭しかないし、そもそも本物の謎かけ盗賊は、まだあの扉の向こうにいると思うんだ。 それなのに、さっきダッパ君が変装した謎かけ盗賊を見たら、あの扉は簡単に開けてくれただろ」

 まずはダッパが扉の前に出た。扉は先ほど同様に開き、ダッパがそこを通ると、扉はひとりでに閉まった。

 続いて、謎かけ盗賊に化けたドラえもんが扉の前に出ると、やはり扉は開き、ドラえもんがそこを通ると、扉は閉まった。そして残りの4人も同様にして、扉を通る事に成功した。

 そして6人は扉の先で合流し、ダッパは人形の頭を外して捨て、他の5人は変身を解除した。



 目玉の扉を抜けた先には下り階段が伸びていた。階段をじわじわと降りていく間に、6人は照明の色が変わった事に気付いた。天井は不気味な青色に輝いている。

 階段の下は小さなからっぽの部屋になっていた。反対側の壁に扉が1つ付いている。ゴロゴロという奇妙な音がかすかに聞こえるが、それがどこから聞こえてくるかはよく分からない。

 扉を開けると、青い光に照らされた廊下がまっすぐに伸びていた。両側の壁には扉が3つずつ並んでいる。廊下の先の道は左に折れ曲がっているようだ。

 6人は相談した結果、まずは左の一番手前の扉を試す事にした。



 扉の向こうはやや小さ目の部屋だった。壁は板張りで、全ての壁に沿って棚が設けられており、棚の上には試験管立てが並んでいる。試験管立てに止められ、ラベルを貼られた試験管には、 どれにも様々な色の粉が入っている。部屋の奥には四角い桶いっぱいに水が満たされている。

 扉を開けた拍子に風が起こり、試験管立ての前に積まれた紙を舞い上げる。そのせいで、凍りつくような青い粉が入った試験管が倒れ、ゆっくりと棚を転がって落ち、桶の縁に命中した。 ガラスが割れ、水の上に粉の一部が撒き散らされた。

 「ここは謎かけ盗賊の実験室か何かなのか?」

 「実験室と言うよりは薬品置き場みたいだね。でもここ、置いてあるのは粉末の入った試験管ばかりだね」

 ダッパとドラえもんがそんな話をしていると…

  ゴボゴボゴボゴボ…

 桶からものすごい勢いで泡が立ち始めた…


 原作「謎かけ盗賊」との設定の相違

 ・円盤人の被害者が正気を取り戻すという事自体が原作に無い展開なので、原作では被害者をカラメールに連れて行く以前に、隠れ家の外に連れ出す事自体が不可能。

 ・タイタン世界に”だるまさんが転んだ”に似た遊びが存在するというのは、このプレイのオリジナル設定であり、本当に存在するかどうかは不明。ただし、タイタン世界の設定では、八幡国という、 戦国時代の日本に似た雰囲気の国は存在する。ちなみに主人公達の複製人形達には、主人公達が向かい側の扉に行く途中でふり向く度に、いつの間にか数メートル接近しており、 動いているところを主人公達には決して見せないという、本当に”だるまさんが転んだ”のような行動を取る習性がある。ただし主人公達に危害を加える事は無い。これらの習性は全て原作通りである。

 ・食堂に並ぶ客達は、原作ではかつて謎かけ盗賊と戦った者達(保存処理がされた死体と思われる)が、液体の入った大きなピクルス用の瓶に詰め込まれた状態で並べられている。

 ・フィネガンのくれるクローバーは、原作ではもらった人だけが運が大きく回復するというものだが、このプレイではパーティのうち4人の運が少しだけ回復する仕様になっている(小説には直接関係しないが)。 また、スネ夫がクローバーをもらった事と、ヨッカ卵が手に入った事は、原作でもこのプレイでも無関係である。ちなみにフィネガンとの2度目の出会いと、トレムローとの遭遇と、 あかんべーする謎かけ盗賊の幻影との遭遇は、ホールに戻った時にランダムで遭遇するイベントのうちの3つである。謎かけ盗賊の幻影は、ホールに出てきた部屋の向かい側にある扉から出現するという法則があり、 このプレイの時のように、謎かけ盗賊の人形が存在する部屋の扉から出現するとは限らない。

 ・目玉の付いた扉は、原作では謎かけ盗賊の人形をかぶった者が1人でもいれば、パーティ全員がまとめて通過する事が可能。ちなみに謎かけ盗賊の人形は3つ存在し、 そのうちの2つは、今回のプレイでは登場しなかった2つの部屋にそれぞれ存在する。この2つの人形は、食堂のものとは違って動き出す事は無いが、切り裂かれると中から羽毛が飛び散ったり、 針バエ(針を持った巨大バエ)の群れが出てきたりする。また、主人公達の中に魔法使いがいれば、人形が無くても目くらましの術(幻影を作り出す魔法)で謎かけ盗賊の幻影を作り出して通る事も可能。

 ・原作では、廊下の先は真っ直ぐで、左に折れ曲がってはいない。


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