〜ドラえもん のび太と異世界の盗賊〜


第2話


謎の答えを求めて




イメージBGM:街・村
 ドラえもん達はダッパの案内で、街の商店街に着いた。

 あの騒ぎの後にも関わらず、商店街は活気に満ち溢れていた。商売はかきいれ時に入っていて、皆忙しいらしく、見慣れない格好をした子供達にも、特に注意を向ける者はいないようだ。

 そんな中を、ドラえもん達6人が人波にもまれながら歩いていたその時だった。

 「うわっ! な、何をする!」

 突然上がった、その悲鳴はドラえもん達の耳にも届き、6人は思わず立ち止まる。

 次の瞬間、周囲の群衆がさっと左右に分かれた。そして群衆の先からは、右手に長い棍棒、左手に小さな布の袋を持った、ひょろっとした体つきの若い男が、棍棒を振り回しながら突進してきた。

 「うわあぁっ!」

 「きゃあっ!」

 「おっと!」

 驚いたスネ夫、しずか、ダッパの3人が右に飛び退く。

 「危ないっ!」

 「な、な…」

 「やべっ!…おいのび太、危ねえぞ!」

 続いてドラえもんとジャイアンが左に飛び退く…動揺して動けずにいるのび太を引っ張りながら。

 棍棒を持った男はそのままドラえもん達のいた場所を通り過ぎ、そのまま走り去っていった。

 「あ、あいつは確か…」

 男を目で追いながらダッパがつぶやく。

 「う、う…ああーっ!」

 先ほどの悲鳴と同じ声で、今度は嘆き声が響く。声のする方向には、ひっくり返った品々の真ん中で尻餅をついている、裕福そうな商人の姿があった。

 「…あれって引ったくり、だよね?」

 スネ夫が男の走り去った方向と商人を交互に見ながらつぶやく。すると、しずかが商人を指差して言った。

 「ねえ、あの人助けてあげましょうよ」

 「そうだな」

 ダッパが頷き、スネ夫達3人は商人に駆け寄った。そこへドラえもん達3人も合流し、商人を助け起こした。

 「大丈夫ですか?」

 しずかが商人に話しかける。

 「はあ…ありがとう、子供達。しかし困ったな。さっきの男に財布を取られてしまったよ」

 「オイラ、あいつ知ってるよ。"疾風のラルゴ"って呼ばれてる、引ったくりの常習犯だ。逃げ足は速いわ、隠れるのが上手いわで、衛兵達もなかなか捕まえられずにいる奴なんだ。 最近、街に現れなくなったと思ったのに、戻ってきてたんだな」

 街の事に詳しいダッパが説明する。

 「…ああ、カラメールに来てからずっと、運に見放されているのだな、私は…」

 「? まだ何かあるんですか?」

 ドラえもんの質問に、商人はため息をつきながら答える。

 「そうなんだよ。おっと、申し遅れたが、私はイグナチウス・ガラパゴス。珍しい動物の類を商う商人さ。この街には船で来たんだが、私の船荷を扱ってたごろつきどもが、 毒の鼻息を出すミノタウロスを連れて、こっそり姿を消してしまったのだよ」

 「ミノタウロス!…って何?」

 「何だよのび太、ミノタウロスも知らないのか。牛の頭をした大男の化け物だよ」

 スネ夫の話を聞いたダッパが興味を示した。

 「ふーん、ドラえもん達の世界にも、ミノタウロスがいるの?」

 ドラえもんがそれに答える。

 「違うよダッパ君。ぼく達の世界では、物語に出てくる怪物で、本当はいないんだ。でもこの世界には実在するんだね」

 「うん。そう簡単には会えないし、凶暴で危険だから、滅多に捕まえられるものじゃないけどね。でも、毒の鼻息を出すミノタウロスなんて初めて聞いたな」

 「そう。私はこれまでにもミノタウロスの取引をした事はあったんだが、あんな珍種は初めてでね、私の自慢の商品だったのだよ。なのに…全く、踏んだり蹴ったりだよ…はああ…」

 がっくりと肩を落とすガラパゴス。それを見たしずかは、ドラえもん達に小声で相談する。

 「ねえドラちゃん、あの人、助けてあげられないかしら」

 「そうだよドラえもん、あの引ったくりを捕まえてあげようよ」

 「うーん、確かに放っておけないね」

 のび太も賛同し、ドラえもんも納得する。しかしスネ夫とジャイアンは反対した。

 「…でもしずかちゃん、僕達にそんな暇は無いと思うよ」

 「俺達、街で探し物しなきゃいけねえからな」

 意見の分かれる5人。するとダッパが解決策を出した。

 「ドラえもん、引ったくりを捕まえる道具も持ってるの? だったらあの人に、その道具を貸してあげたらどうだい? みんな、探し物が全部見つかるまではこの街にいるんだし、 引ったくりが捕まったら、貸した道具はランゴールの塔に預けるように頼んでおけば、後で取りに戻れるし」
(ドラえもん、ひみつ道具判定2回…2回とも成功)
 「うん、それが良いね。引ったくりを探して捕まえる道具…あれとあれが良いな。ノビールハンドとたずね人ステッキ!」

 ダッパの提案に賛同したドラえもんは、ポケットから2つの道具を出した。1つはノビールハンド。もう1つは、地面に立てると、たずね人のいる方向に倒れる棒・たずね人ステッキである。

 ドラえもんはガラパゴスに2つの道具を渡し、その使い方を説明する。さらにダッパが衛兵を呼び、事情を話してガラパゴスに同行するように頼んだ。

 衛兵達は、引ったくり常習犯であるラルゴを捕まえるチャンスと、喜んで同意した。

 ガラパゴスは早速、たずね人ステッキを地面に立てて、手を離した。ステッキはコツンと音を立てて倒れる。

 「ふむ、こっちだな。急がなくては。わざわざありがとう、子供達。それにタヌキさんも」

 そう言うとガラパゴスは、ステッキが倒れた方向を目指して、衛兵達と共に走り去った。彼には「ぼくはタヌキじゃなくて猫型ロボット!」という怒鳴り声は聞こえなかったようだ。

 「…でもドラえもん、たずね人ステッキって的中率70パーセントなんだよね? 大丈夫かな?」

 「それにさ、この世界じゃひみつ道具の効果が弱まるんだから、さらに的中率下がるんじゃない?」

 「あ…で、でも、どれくらい弱まるかは、道具によって差があるみたいだから、それほど下がらないかも知れないよ。それに下がったとしても、当たらなくなるわけじゃないんだし」

 のび太とスネ夫の指摘に、作り笑いをしながら適当に答えるドラえもん。彼の周りから、しらけた視線が注がれる。

 「…そ、そんな事よりも、早く探し物を始めないと。そのためにも、このなぞなぞを解いていかないとね」

 先ほどの話を誤魔化しつつ、ドラえもんは小箱から出てきた巻物を広げ、最初の2つのなぞなぞを確認する。


  わたしは何?
  波を分け 行くは白き羽根持つ魚 泡立つ荒野を突き進む ロープで縛られ 布で引かれ 商人達が遅れぬように

  わたしはどこに?
  ひとつめはガムにはあるが、ゴムにはない ふたつめは6つにあって、7つにもある
  みっつめは子にはあるが、親にはない よっつめは小にも中にもあるが、大にはない
  全部合わせて、わたしは子供のすぐそばに


 「…何だ、簡単じゃねえか。こいつの答えは”船”だろ? 船なら港に行きゃあるじゃねえか」

 「待ってよジャイアン。僕も船だと思うけど、ただの船だったら、わざわざ場所まで指定したりしないと思うよ。こっちのなぞなぞも解かないと」

 最初のなぞなぞを得意気に解いたものの、スネ夫の指摘を受けて、もう一つのなぞなぞに頭を悩ませるジャイアン。のび太も同様に考え込んでいた。

 「うーん…(”ガ”ムと”ゴ”ム…むっ”つ”となな”つ”…”こ”と”おや”…しょ”う”とちゅ”う”と”だい”…)…が…つ…こ…う…」

 のび太のつぶやきを聞いたドラえもんの顔が明るくなる。

 「! のび太君、それだよ! もう一回言って!」

 「? それって…が、つ、こ、う?…! そうか、”学校”か!」

 納得するのび太。

 「でも”学校”に”船”があるって、どういう意味かしら?」

 しずかの言葉に、しばらく首を傾げる6人。するとダッパがその答えを出した。

 「…そうか! この街の航海学校の事だ! この学校にある風見が、船の形をしてるんだよ!」

 「なるほど、その船の風見だね!」

 納得するドラえもん。こうして1つ目の品物と、そのありかを解き明かしたドラえもん達は、ダッパの案内で”海の道”と呼ばれる通りを進んだ。



 「…そういえば、ダッパさんって、学校には行っていないの?」

 通りを歩きながらしずかが尋ねる。

 「オイラはハメット先生から勉強を教わったんだ。ハメット先生は孤児だったオイラを拾ってくれて、それでキャロリーナ様のところで召使いになったんだ。 ハメット先生はオイラに色んな事を教えてくれたよ。いつかはハメット先生から、魔法も習うつもりだったのに、あんな事になるなんて…」

 悲しげな顔で語るダッパ。そんな彼に、かける言葉が見つからないドラえもん達。しばらく重い空気が漂っていたが、やがてダッパが顔を上げた。

 「ねえみんな、この街での探し物が見つかったら、オイラも謎かけ盗賊を追いかける旅に連れてってよ。オイラ、ハメット先生を殺して、泥棒の罪まで着せようとした謎かけ盗賊が許せないんだよ。 ハメット先生のためにも、謎かけ盗賊をやっつけて、あいつがやろうとしている事を止めたいんだよ!」

 しばらく黙り込むドラえもん達5人。やがてジャイアンが口を開いた。

 「よし、一緒に行こうぜ!」

 「で、でも、何が起きるか分からないのよ? 危険な旅になるかも知れないのよ?」

 しずかが不安そうに言う。するとのび太とスネ夫が言った。

 「しずかちゃん、それはボク達にとっても一緒じゃないか。これまでの冒険だって、冒険で知り合った友達と力を合わせて、どんな危険も切り抜けてきたんだし。連れて行こうよ」

 「そうだよ。ダッパならのび太よりも運動神経ありそうだし、役に立ちそうじゃん」

 それを聞いたしずかは、しばらく黙っていたが、やがて笑顔で言った。  「…そうね。みんなが一緒なら、きっと危険も乗り越えられるわね」

 最後にドラえもんがしめくくる。

 「決まりだね。ダッパ君、危険な冒険になるだろうけど、よろしくね」

 6人は結束の印として握手を交わした。

 「ありがとう、みんな! オイラ頑張るよ!」

 その後6人は、特に何事もなく航海学校に着いた。


 カラメールの航海学校は、危ないほど崖っぷちに近く建てられた、古くてくたびれ果てた建物だった。屋根の上には、ドラえもん達が探していた船の風見が取り付けられている。

 そこでは汚い服を着た子供達が、大きな扉を出入りしたり窓から身を乗り出したり、屋根の上に座っていたりしていた。庭で木刀を手にしてチャンバラをやっている子供の姿もある。

 「あれがボク達の探してた船だね」

 のび太が学校の屋根を見上げる。

 「みんな、遊んでるみたいだけど、今は休み時間なのかしら?」

 「いや、授業中のはずだよ。この学校は、反抗的で意地悪な子供の溜まり場みたいなもんなんだ。でも、授業中にここまで暴れてるなんて、ここの先生は何してるんだろ?」

 ダッパが首を傾げながら説明していると…


ドサッ!


 彼らの前方に、何か硬いものが落ちた。6人がそちらに目を向けると、落ちてきたのは屋根のかわらだった。

 さらに、学校の方から、話し声や意地の悪い笑い声がいくつも聞こえてきた。

 「変な格好の奴らがいるぞ!」

 「青いタヌキもいるぞ!」

 「ゴリラもいるぞ! やっちまえ!」

 どうやらさっきのかわらは、屋根にいる子供が投げたものらしい。さらに、ドラえもん達に石やかわらを次々と投げてくる子供達。

 「タヌキとは何だ!」

 「俺を馬鹿にしやがって!」

 「ドラえもん、落ち着いて」

 「ジャイアンも、ここは一旦引こうよ」

 怒りに任せて突撃しようとするドラえもんとジャイアンを、のび太とスネ夫が引き止める。6人はそのまま付近の物陰まで退却した。

 「あーびっくりした」

 「もう、乱暴な人達ね!」

 ホッとするのび太と、意地悪な子供達に腹を立てるしずか。

 「それよりどうするよ。あれじゃ、学校に近付けないよ」

 物陰から学校を見ながらスネ夫が言う。

 「このまま黙ってられっかよ! あいつらをとっちめてやろうぜ!」
(ドラえもん、ひみつ道具判定…成功)
 「悪い子にはお仕置きが必要だね。よし、あれを使おう…正義ロープ!」

 ドラえもんはジャイアンに同意すると、種のような物が入った瓶をポケットから取り出した。種を埋めて水をかけると、蔓草状のロボットが生えて悪人を縛り上げる道具・正義ロープである。

 ドラえもんは地面に10粒の種を埋める。

 「ダッパ君、水を持ってきて欲しいんだけど、この近くにあるかな?」

 「水?…分かった。ちょっと待ってて」

 ダッパはその場を離れると、すぐに近くで借りたらしい、水の入ったバケツを持って戻ってきた。ドラえもんはそれを受け取ると、種を植えた地面に水をかける。

 「ドラえもん、これで何が起きるんだ?」

 「ウフフ。それはすぐに分かるよ」

 にやりと笑うドラえもん。やがて…

 「うわーっ!」

 「何これー!」

 「助けてー!」

 学校から子供達の悲鳴が響き渡った。

 6人が学校へ戻ると、外にいた子供達が皆、奇妙なロープで縛られていた。屋根にいた子供達は、落ちて大怪我をしないように、地面から近い高さでミノムシのように宙吊り状態で縛られている。

 「ダッパ君、この正義ロープは、こうやって悪者を縛ってくれる道具なんだ」

 「種を埋めて水をかけなきゃ使えないし、厳しすぎて、嘘やポイ捨てでもすぐに縛っちゃうのが問題だけどね」

 「へぇー…やっぱりドラえもんは凄いな…」

 ドラえもんとのび太の説明を聞き、感心するダッパ。

 「よーし、今のうちにあいつらを…」

 にやりとしながら拳を振り上げるジャイアンを、スネ夫が引き止める。

 「ジャイアン、やめときなよ。そんな事したらジャイアンまで縛られちゃうよ」

 「今のうちに学校に入りましょう。ここの先生に、あの風見を譲ってもらえるようにお願いするのよ」

 しずかが学校の扉を指差す。縛られてわめき散らす子供達を尻目に、6人は学校の扉をくぐった。すると…

 建物の中は大きな1つの教室になっており、壊れた机やカビ臭い書物や海図でひっくり返ったようになっている。

 今、教室は子供達の戦場と化していた。生徒達が2つのグループに分かれて戦争ごっこをしており、水の爆弾やらインクの散弾やらが飛び交っている。

 「キャッ!」

 「うわっ!」

 しずかとのび太が悲鳴を上げた。教室に入った6人は戦争ごっこに巻き込まれ、慌てて伏せる。だが大柄なジャイアンは伏せても飛び交う弾を避けきれず、いくつかが頭に命中した。

 「ドラえもん、正義ロープは?」

 両手で頭をかばいながらのび太が尋ねる。

 「さっき使った分で全部だよ。まだ外の連中を縛ってるよ」

 「いや、必要無さそうだよ。ジャイアンを見てよ」

 「ウ〜〜……」

 スネ夫の言葉にのび太達がジャイアンの方を向くと、ジャイアンは顔を真っ赤にして、鬼のような形相で震えていた。そして…

 「ドガァ!」

 ジャイアンは怒声と共に立ち上がり、生徒達に襲いかかった。

 「うわあーーーーっ!!!」

 生徒達は凶暴化したジャイアンのあまりの迫力に、窓や扉から散り散りになって逃げていく。

 あっという間に生徒全員が教室から逃げ去ったが、ジャイアンはそれを追って扉から外へ出ていく。

 「…ジャイアンって、下手な怪物よりも怖いんだな…」

 呆気に取られてダッパがつぶやく。

 「僕達は見慣れてるけどね…」

 スネ夫がぽつりと言う。

 「ねえ、あの人が先生かしら?」

 しずかが指差した先には、教室の前の方に置かれた机に突っ伏している、恰幅の良い男がいた。

 「しょうがないなあ、先生が居眠りなんかして」

 「この先生も、のび太君にだけは言われたくないだろうね。それに、居眠りの原因はこれみたいだし」

 居眠り常習犯ののび太に突っ込みを入れつつ、ドラえもんは先生が握りしめている、食べかけのリンゴを手に取る。

 リンゴの芯には「だい好きな先生に、生徒より」と書かれたカードが結わえ付けられていた。

 「そうか、これに眠り薬が入ってたって訳か。どうりであれだけ騒いでも目覚めない訳だ」

 「いたずらにしては酷いわね」

 納得するスネ夫と、顔をしかめるしずか。するとのび太が言った。

 「ドラえもん、この先生を起こしてあげないと」
(ドラえもん、ひみつ道具判定…成功)
 「分かってる。ネムケスイトール!」

 ドラえもんはポケットから、相手の眠気を吸い取ったり、吸った眠気を発射して相手を眠らせる事ができる銃のような道具・ネムケスイトールを取り出した。

 ドラえもんはネムケスイトールを先生に向け、グリップを握る。すると先生の鼻からシャボン玉のような眠気が次々と出てきて、ネムケスイトールに吸い込まれていった。

 そして眠気を10つほど吸い取ったところで、先生の体が動いた。

 「ん…ん? 僕は眠っていたのか…? あれ、君達は? ここの生徒じゃないな。生徒達はどうした?」

 ドラえもん達は目覚めた先生に事情を説明し、風見を譲ってもらえるように頼んだ。

 「そうだったのか…分かった。あの風見は君達にあげよう。あれはもう古くなってて、そろそろ新しいのに替えようと思っていたところだったんだ」

 「ありがとうございます」

 頭を下げるドラえもん。

 「いや、礼を言うのは僕の方だよ。目覚めさせてくれた上に、あの悪ガキ達をこらしめてくれて、ありがとう。あいつらは後で僕が、うんと叱っておく事にするよ」

 こうして交渉は成立した。すると…

 「おーい、ドラえも〜ん、何とかしてくれー!」

 外からジャイアンの声が聞こえてきた。5人が扉から教室を出ると、ジャイアンが正義ロープに縛られていた。周りには生徒達はいない。

 「あいつらに逃げられちまって、戻ってきたら、ちょうどここにいた奴らが自由になったところだったから…」

 「殴ろうとして正義ロープに捕まったんだね」

 のび太が指摘する。

 「あーあ、だから言ったのに…」

 「しょうがないなあ」

 呆れるスネ夫とドラえもん。ドラえもんは正義ロープの瓶の底にある回収ボタンを押した。正義ロープはあっという間に瓶へと戻っていき、元の種に戻った。

 その後ドラえもん達は、タケコプターで屋根に上がって風見を外し、先生に礼を言って航海学校を去った。


 「ボク達、これで1つ目をクリアしたんだね」

 手にした風見を眺めながら、のび太が言う。

 「でも本当にこれなのかしら?」

 「何言ってんだよ、これに決まってるって」

 しずかは正解かどうか疑問視するも、ジャイアンは正解だと主張する。

 「オイラもこれだと思うけど、本当に正しいかどうかは、後で海に投げ込んでみれば分かるよ」

 「でもさ、探し物って3つもあるんでしょ? 投げ込んでから3つの中に間違いがあると分かって、また探し直す羽目になるのは嫌だな。正しいかどうか、すぐに分かる方法は無いのかな」

 ダッパとスネ夫がそんな話をしていると…

 「アーッハッハッハッハッハッ…」

 突如、甲高い笑い声が響いた。のび太はその声のする方を向いた。

 「何だいドラえもん、変な笑い声上げて?」

 「ぼ、ぼくじゃないよ。この声は…ポケットの中からだ!」

 笑い声は確かにポケットの中から聞こえていた。ドラえもんがポケットから巻物を出すと、それが笑い声の発生源だと分かった。

 巻物を広げると、6人の目の前で、最初の2つのなぞなぞが消えていった。それと同時に、笑い声もおさまった。

 「な、なぞなぞが消えちゃった!?」

 「ど、どういう事だよ…」

 呆然と巻物を見つめるのび太とジャイアン。

 「これは…正解、って事みたいだね」

 「でもこれで安心したよ。他の2つも、正解の品を手に入れれば、なぞなぞが消えるって事だね」

 ドラえもんとスネ夫が納得する。

 「それじゃ、次のなぞなぞを解きましょう」

 「オイラ、次はどこへ案内すれば良いのかな?」



 正解だった事に安心した6人は、風見をドラえもんのポケットにしまうと、次のなぞなぞを確認した。


  わたしは何?
  丸いお腹にゃ鉄の輪っか 陽気さもたらす品運ぶ 人を殺めた事もなく 盗みもした事ない なのに頭を槌で打たれる

  わたしはどこに?
  片言話すこのわたし 緑の衣装で小生意気 捕らえられたる檻の壁 網の目以上の穴だらけ


 「うーん…ボクにはさっぱり分からないや」

 のび太はあっさりと匙を投げてしまう。

 「陽気さもたらす…槌で打たれる…もぐら叩き!…なわけないよね…」

 「緑の服着た外人が、牢屋の中にでもいるのか?」

 「片言…緑…檻…もしかして、インコかしら? でも場所にならないわよね…」

 スネ夫、ジャイアン、しずかが頭を悩ませる。するとダッパが、しずかの答えに反応した。

 「…いや、インコじゃなくてオウムなら、”檻の中のオウム亭”って酒場があるな…待てよ、酒場にあるとしたら…そうか!」

 ドラえもんはダッパの顔を見た。

 「ダッパ君、分かったの!?」

 「うん。”陽気さもたらす品”って酒の事だよ。酒を運ぶ物で、”丸いお腹”に”鉄の輪”が付いてて”頭を槌で打たれる”物と言ったら…答えは”樽”だ!」

 2つ目の品物と、そのありかも解き明かしたドラえもん達は、再びダッパに案内されて”いるか横街”と呼ばれる通りを進み、再び特に何事もなく”檻の中のオウム亭”にたどり着いた。


 6人が入口から店の中を覗くと、そこは人相の悪い男達があちこちにいる、見るからにいかがわしい雰囲気の酒場で、店の天井にはオウムの人形が入った鳥かごが吊るされている。 店の真ん中のテーブルには数人の男達が集まっており、どうやら賭けをしているらしい。

 「…随分いかがわしい雰囲気のところだねえ」

 ドラえもんが言う。

 「こんなところに入って、大丈夫かしら?」

 「大体、子供の来るところじゃないよね」

 しずかとスネ夫も不安気に言う。

 「…! あいつは…」

 「ダッパ、どうしたの?」

 のび太がダッパのつぶやきに反応する。だがダッパはそれに答えず、入口から離れた。

 「みんな、ちょっと…」

 ダッパに手招きされたドラえもん達は、店の前にある道の真ん中に集まった。

 「みんな、ここはオイラに任せてくれないか。オイラはここの主人の知り合いだから、店に入っても平気だし、ちょっとオイラに考えがあるんだ」

 「考えって何だよ? もったいぶってないで教えろよ」

 ジャイアンが不満そうに言う。

 「説明してる暇は無いんだ。後で話すから、みんなはここで待っててくれ。大丈夫、うまくいくはずだから」

 ダッパの言葉に、顔を見合わせるドラえもん達。やがてドラえもんが口を開いた。

 「分かったよ。どんな考えがあるのか知らないけど、この街に詳しい君が任せろって言うんだから、ここは任せてみよう」

 「ありがとう。それじゃ、行ってくるよ」

 ダッパはそう言うと、店の中に入っていった。

 …そして数分後、ドラえもん達5人が店の前で待っていると、ダッパが店から出てきた。

 「あっ、出てきたわ」

 「ダッパ、どうだった? うまくいった?」

 のび太が尋ねる。だがダッパは慌てた様子で答えた。

 「ごめん、オイラ急いでるんだ。もう少し待っててくれ」

 ダッパはそう言い残して、どこかへと走り去っていった。

 「…行っちゃったぞ…」

 「さっきから何やってんだ、あいつ…?」

 スネ夫とジャイアンが首を傾げる。

 しばらくすると、ダッパは衛兵を連れて戻ってきた。ダッパと衛兵達は店へと入っていく。すると店の中が騒がしくなり、しばらくすると店から衛兵達が出てきた。 彼らはローブを着たねずみ顔の小男を捕らえており、そのまま彼を連行して去っていった。

 訳が分からないまま、様子を見ているドラえもん達。すると今度は、樽を抱えたダッパが店から出てきた。

 「みんな、お待たせ。樽が手に入ったよ」

 ダッパが笑顔で言う。ドラえもん達は相変わらず困惑している。

 「…ダッパ君、一体何があったの?」

 ドラえもんの質問に、ダッパは説明を始めた。その内容は…

 最初にドラえもん達が店の中を覗いた時、ダッパは賭け事をしている客の中に、顔見知りを発見した。それは先ほど衛兵達に連行された、ねずみ顔の小男である。

 その客は、かつてハメットの弟子の魔法使いだったが、盗みを働いて破門されたのだという。その時盗んだ物は、多少だが人間の運を操作できるという魔法の品物だった。

 その男の顔と盗品を覚えていたダッパは、彼が盗品を使ってイカサマ賭博をしている事に気付き、その事を店主に告発し、犯人を捕らえるために衛兵を呼んだのである。

 そして店主はダッパに感謝し、ダッパが事情を話したところ、喜んで樽を1つ譲ってくれたというわけである。

 ダッパの話が終わった後、ドラえもん達が巻物を取り出すと、またあの笑い声と共に、2つのなぞなぞが消えていった。



 「思ったよりも簡単に手に入ったね」

 「ダッパさんのおかげね」

 のび太としずかが感心する。

 「いや、偶然だよ。オイラもまさかこんなところで、あいつに会うとは思わなかったし」

 「この調子で、最後の1つも見つけようよ」

 「おいドラえもん、次のなぞなぞは何だ?」

 「えーと、なになに…」

 スネ夫とジャイアンに促されながら、ドラえもんは最後のなぞなぞを確認した。


  わたしは何?
  頭もなければ尻もなく 骨と皮とに留められる 音など立てやしないのに もう一つのわたしは鳴り渡る

  わたしはどこに?
  頭に角ある怖い人 その名は世界に鳴り響き 人と獣がわたしの名


 「頭も尻も無い物…丸い物かも知れないね。ボールとかリングとか」

 「頭に角がある怖い人…鬼かな? うちのママは鬼より怖いけど…」

 ドラえもんとのび太が言う。その隣でスネ夫が考え込んでいたが、やがて口を開いた。

 「うーん…僕が思うに、さっきの店みたいに、動物の名前が付いた店かも知れないな。ダッパ、この街に、角の生えた動物の名前が付いた店ってあるか? それか、牛か何かを飼ってる家とか」

 「いや、そんな店は聞いた事が無いな。牛を飼ってる家も、この街には無かったはずだし…いや、待てよ…」

 「おい、何か心当たりがあるのか?」

 ジャイアンが尋ねる。

 「この街に、入墨屋があるんだ。そこでは高いお金を出せば、魔法の力を持った入墨を入れてくれるんだ。その中には、動物の絵柄もあったはずだ」

 「それかも知れないわ。行ってみましょう!」

 「うん。ここからだとちょっと遠くなるけど、この大通りをまっすぐ進めば行けるはずだ」

 入墨屋を目指して”偶像通り”と呼ばれる通りを進む6人。これまでの通りのように、何事もなく進むかと思われたが…


バキッ! ドカッ!…


 「うがあっ! ぐっ! ううぅ…」

 男のものと思われる、低い悲鳴と、誰かを殴るような鈍い音が聞こえてきた。

 悲鳴と音のする方へと向かう6人。そこで見たものは…

 木製の棍棒を持った6人の大男と、そのそばに倒れている、比較的体格の良い男だった。

 しかも大男達は、その男を担ごうとしていた。

 「ひひひ…人さら…ウグッ!」

 「しっ! みんな、隠れて!」

 声を上げようとするのび太の口を塞ぎ、ダッパはドラえもん達に隠れるように促す。幸い、大男達には気付かれずに、6人は物陰に隠れる事ができた。

 「あいつらはきっと、水兵強制徴募隊だ」

 ダッパが説明する。

 「スイヘーキョーテーチョーボタン?」

 「水兵強制徴募隊だよ、ジャイアン」

 「要するに、人をさらって無理矢理自分達の船の水兵に引き入れる連中だね」

 ドラえもんは意味を理解する。

 「じゃあ、やっぱり人さらいって事?」

 「酷い人達ね…」

 顔をしかめるのび太としずか。6人が物陰から覗くと、大男達が男を担ぎながらその場を去ろうとしているのが見えた。

 「ドラちゃん、早くあの人を助けてあげて」
(ドラえもん、ひみつ道具判定…失敗)
 「よし、モンスターボールで脅かしてやろう…あれ? おかしいな、どこやったかな?…」

 ドラえもんはポケットから羽子板やらけん玉やらを次々と出しながら、目当てのひみつ道具を探している。

 「おいドラえもん、早くしないとあいつら、行っちまうぞ!」

 「分かってるよ! ええと…」

 「もう、見つからないんだったら他の道具探してよ!」

 ジャイアンとスネ夫に急き立てられるドラえもん。

 「他の道具…そうだドラえもん、さっき使ったネムケスイトールを出してよ。あれであいつらを眠らせよう!」
(ドラえもん、ひみつ道具判定…成功)
 「なるほど、のび太君にしては良いアイデア! ネムケスイトールは…あった!」

 ドラえもんはポケットからネムケスイトールを出し、のび太に渡す。

 「ようし、行ってくるよ」

 「ちょ、ちょっとのび太君!」

 ドラえもんが止めるのも聞かずに、一人で大男達のところへ走っていくのび太。

 「のび太さん、一人で大丈夫かしら?」

 「のび太君って、射撃の腕は信用できるけど、すぐに調子に乗るからなあ…」

 走り去るのび太の背中を、不安そうに見つめるしずかとドラえもん。

 そんな心配をよそに、のび太は大男達の前に堂々と姿を見せた。


イメージBGM:通常戦闘
 「待てーい!」

 格好をつけながら、大男達の前に現れたのび太。

 「あん? 何だこのガキ?」

 「その人を離せ!」

 のび太はネムケスイトールを構えながら叫ぶ。だが大男達はのび太を笑い飛ばす。

 「ガッハッハ。いきなり出てきたかと思ったら、随分威勢の良いガキじゃねぇか」

 「しかし、ちょっとまずいところ見られちゃったかもな」

 「なあに、こんなひ弱そうなガキ、ちょっと口止めしてやりゃ良いだけさ」

 「ぼくちゃん、痛い目見たくなかったら、今見たものを全部忘れて、お家に帰りなさい。ワッハッハ」

 大男達は完全に油断している。

 「おじさん達、おとなしくその人を返さないと…」

 のび太はネムケスイトールのグリップに付いたボタンを押した。広がった銃口からシャボン玉のようなものが発射される。
(のび太、射撃判定…成功。大男Aに命中)
 「返さないと、何なのかな? どれ、おじさんがちょっと可愛がって…ん?…な、何だ…?」

 「おい、どうしたんだよ?」

 「な、何だか急に眠くなって…」

 ネムケスイトールから発射された眠気は、一番前にいた大男に命中した。大男は急な睡魔に襲われ、ふらついている。

 「……(一発じゃ眠らないのか? やっぱりこの世界では力が弱まるのかな? ようし、もう一発…)」
(のび太、射撃判定…成功。大男Aに命中)
 のび太は再度、眠気を発射する。これも狙い通り、先ほどの大男に命中した。大男は今度こそ完全に眠りについた。

 「ぐーぐーぐー…」

 「お、おい、起きろって!」

 「いきなりどうしたんだよ!」

 突然の事態に動揺する大男達。のび太はさらに眠気を連射する。
(のび太、射撃判定2回…2回とも成功。どちらも大男Bに命中)
 「んあっ?…うう…むにゃ…ぐごーぐごー…」

 もう2発の眠気が別の大男に命中し、その大男もたちまち眠りについた。
(のび太、射撃判定2回…2回とも成功。どちらも大男Cに命中)
 「な、何なん…ほわ?…ん…すーすーすー…」

 さらに2発の眠気が別の大男に命中し、その大男もまた眠りについた。

 「またかよ! 何が起きてんだよ!」

 「おい坊主! こいつらに何をしやがった!」

 「てめえ、まさか魔法使いか!?」

 残された3人はのび太に向き直る。のび太は不敵に笑う。

 「残念、ボクは魔法使いじゃなくてガンマンだよ。プロの殺し屋や宇宙生物のボスだって倒したんだから。…って、この世界の人にガンマンなんて言葉、分からないか」

 「?」

 「よく分かんねぇが、魔法使われる前にやっちまえ!」

 「そうだな、魔法使いだろうが何だろうが、たかがガキ1人だからな!」

 大男達は担いでいた男を放り出すと、棍棒を振り上げて突進してきた。のび太は少し動揺するも、すぐに次の眠気を発射する。
(のび太、射撃判定…成功。大男Dに命中)
 眠気は一番前の大男に命中し、大男がふらつき始める。その後ろから走ってきた大男達はそれに巻き込まれて一斉に転倒する。

 「わっ!」

 「痛ってーな!」

 大男達が起き上がる前に、のび太は追い討ちをかける。
(のび太、射撃判定2回…2回とも成功。どちらも大男Eに命中)
 「ぐがーぐがー…」

 「こら、どいてから寝ろよ!」

 「うう…眠い…」

 のび太が狙ったのは、転んだ3人のうち、一番上に乗っていた大男だった。おかげで残る2人はなかなか起き上がれない。

 2人が上の大男をどかして起き上がった時には、のび太は既に次の眠気を発射していた。
(のび太、射撃判定…成功。大男Dに命中)
 「ZZZ…ZZZ…」

 先ほど眠気を1発食らっていた大男は、この1発でとどめを刺された。

 「さ、残るはおじさん一人だけだね。覚悟は良いかな?」

 「あわわわ…」

 完全に動揺している最後の大男。のび太はこれで終わりとばかりに、ネムケスイトールのボタンを押した。

 …が、眠気は発射されなかった。

 「…あれ? おい、出ろよ。…あ、眠気撃ち尽くした…?」

 のび太がいくらボタンを押しても、10発の眠気を撃ち尽くしたネムケスイトールからは何も発射されない。

 「…? よく分かんねぇが、もう魔法は使えねぇようだな。覚悟しやがれ、クソガキがぁ!」

 「うわあぁぁーっ!」

 これ幸いとばかりに襲いかかる大男。ホルスターに入れたショックガンを抜く余裕は無い。慌てて逃げ出すのび太。

 「待ちやがれぇー!」

 「わぁーっ、待てないよー! ドラえも〜ん!」

 必死に逃げるのび太だが、元々足の遅いのび太。追ってくる大男との距離はどんどん縮まっていく。その時…
(ドラえもん、ひみつ道具判定…成功)
 「世話焼きロープ!」

 ドラえもんの声と共に、物陰から奇妙なロープが伸びてきて、大男の足に巻き付き、転倒させる。それは、普段はバスケットの中に入っているが、必要な時に自ら出てきて、命令通りに様々な形に変形して世話をしてくれ、 しかも優しくて融通の効くロープ型ロボット・世話焼きロープである。

 「うわっ! な、何だぁ!? また魔法か!?」

 世話焼きロープはあっという間に大男を拘束した。


イメージBGM:街・村
 「た、助かったぁ〜」

 「もう、調子に乗って一人で飛び出すからだよ」

 呆れながら物陰から出てくるドラえもん。他の4人もその後に続いて出てきた。

 「のび太さん、大丈夫?」

 「バーカ、ガンマンなら残弾の数くらい把握しとけよな」

 「かっこつけても、やっぱりのび太はのび太だな。ガハハハハ」

 「クーッ!!」

 スネ夫とジャイアンに馬鹿にされ、言い返す言葉もなく悔しがるのび太。

 「でも凄いな。その武器を全部命中させるなんて」

 感心しながらダッパが言う。

 「へへ、ボクって射撃には自信があるんだ」

 「他には何のとりえもないけどね。それより、今のうちに衛兵を呼ぼう。それに、あの人を助けないと」

 のび太の「ボクはあやとりだって得意なのに…」という愚痴を無視し、ドラえもんはダッパに衛兵を呼ぶように頼むと、大男達にやられた男に駆け寄った。
(ドラえもん、ひみつ道具判定…成功)
 やがてダッパが連れてきた衛兵によって大男達は連行され、被害者の男はドラえもんの出したお医者さんカバンが調合した薬によって治療された。

 男は意識を取り戻し、ドラえもん達に感謝した。6人は彼に事情を話して情報を得ようとしたが、男はこれといった情報を持っておらず、そのまま別れる事になった…


 原作「謎かけ盗賊」との設定の相違

 ・原作では、疾風のラルゴが引ったくり「常習犯」という設定は無い。

 ・原作では、ガラパゴスの財布を取り返すには、ラルゴと出会った際に、その場でラルゴを倒さなければならない。逃がした場合、ラルゴは二度と登場しないため、財布を取り返す手段は無くなる。 またガラパゴスとの会話イベントも、ラルゴを倒して財布を取り返さなければ発生しない。

 ・原作のダッパは、なぞなぞが得意であり、一人で全てのなぞなぞを解いてしまう事ができるが、主人公達にはヒントを与えるだけで答えは言わない。また、原作ではハメットを強く慕っていたような描写は特に無い。

 ・原作では、眠り薬入りのリンゴを食べた先生を起こす事はできないし、風見を手に入れるために先生の許可を得る必要は無い。

 ・”檻の中のオウム亭”にいるイカサマ賭博師は、原作では賭博をやる者と盗品で運を操る者の2人で行動しており、ハメットの元弟子は後者である。また、店主とダッパが知り合いという設定は無い。

 ・水兵強制徴募隊は、原作では主人公達をさらおうとする。さらわれないためには当然、戦って倒さなくてはならない。倒した場合、衛兵を呼ぶ必要は無い。


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