〜ドラえもん のび太と異世界の盗賊〜


第7話


探検家と5人のトカゲ




イメージBGM:地底フィールド
 悲鳴の主を求めてジャングルを進んでいたドラえもん達は、やがて小さな広場に着いた。そこで彼らは、恐ろしい光景を目の当たりにした。

 そこにいたのは、奇怪な姿をした5人のトカゲ人間だった。体は黄色がかった緑色の鱗で覆われ、頭部はトカゲそのものであり、さらに短い角が2本生えている。腕は人間のそれに近いが、 足の爪先はトカゲのものに近い。背部にはトカゲの尻尾が生えており、背中には縦一列にトゲが生えている。ただし、それ以外の身体的特徴については一貫性が無く、頭が3つある者、長い舌を持つ者、 トゲの生えた棍棒のような尻尾を持つ者と様々である。皆、胸に矢尻が二つに分かれた矢を象った紋章が描かれた、黒い革鎧を着込んでいる。

 彼らは葉を全部落としたヤシの木を、木製の巻き取り機とロープで弓なりに曲げている。そしてそのヤシの木の上には、 両腕をしっかりと縛られ、ボロボロの服を着た、10代後半〜20代前半くらいと思われる茶髪の哀れな男が乗せられていた。

 「トっトトト、トカゲにん…うぐっ!」

 「しっ! 見つかるよ」

 大声を出しかけたのび太の口を塞ぐドラえもん。彼らはその場を少し遠のくと、木の陰に隠れて広場を見ていた。

 「こいつらはトカゲ兵だ。ジャングルや砂漠を支配してる奴らで、悪い神を崇めて、人間の住んでる土地を侵略しようとしてる奴らだ」

 「じゃあ悪い奴らって事なんだね」

 ダッパの説明を聞いたスネ夫が言う。

 「そういう事。でもこいつらは、普通のトカゲ兵達とは違う奴らだな」

 「違うって、どういう事なの、ダッパさん?」

 「こいつらは突然変異種だ。頭が3つある奴とか、長い舌を持ってる奴とかがいるだろ? 普通のトカゲ兵にはこんな奴らはいないんだ。それに、こいつらの鎧の紋章を見てよ。あれは運と偶然の神ロガーンの印だ。 普通のトカゲ兵は邪悪の神を崇める事はあっても、善でも悪でもない、運と偶然の神なんて崇めないんだ」

 「運と偶然の神? それって確か、謎かけ盗賊と同じ…」

 「うん。奴らは謎かけ盗賊の手下かも知れない…」

 ドラえもんの指摘を肯定するダッパ。

 「どっちにしてもよ、あいつらが悪い奴らだって事は間違いないだろ? あいつら、あの人を海に放り出すつもりだぜ」

 ジャイアンの言う通りだった。トカゲ兵達は捕虜を棒で突いたりあざけったりしながら、ヤシの木を曲げているロープをナイフで切る準備をしている。あのままにしておいたら、 あの捕虜はゴムパチンコの弾のごとく空に弾き出され、そのままサメのいる海へ落とされてしまうだろう。

 「すぐに助けに行くぞ!」

 早速飛び出そうとするジャイアンを、スネ夫とダッパが止めた。

 「待ってよジャイアン。いきなり飛び出して行くのは危ないよ」

 「何言ってんだスネ夫、俺達にはドラえもんの武器があるじゃねえか」

 武器を振り上げるジャイアン。船の中でドラえもんがのび太達に配った武器は、船から降りた後もそのまま持っていた。

 「いや、奴らが謎かけ盗賊の手下だとしたら、奴らは普通のトカゲ兵よりもずる賢いはずだ。オイラ達が下手に正面から出て行ったら、どんな罠を仕掛けてくるか分からないし、そうなったあの人も危ないよ」

 「そうだね。あの人を人質にされたりしたら、ぼく達も手が出せなくなるね」

 ドラえもんもダッパに賛同する。

 「でもボク達が助けてあげないと、あの人が殺されちゃうよ」

 心配しながらのび太が言う。

 「ドラちゃんの道具で、あのトカゲ兵達に気付かれないように助けられないかしら?」

 「うーん、あの状況で、気付かれないように助けるとなると厄介だね…」

 ドラえもんはしばらく考えていたが、やがてポケットに手を入れる。
(ドラえもん、ひみつ道具判定…成功)
 「ようし、この世界でどこまで通じるか分からないけど…ウルトラストップウォッチ!」

 ドラえもんは世界の時間を止められるストップウォッチのような道具・ウルトラストップウォッチを出した。

 ドラえもんは早速ストップウォッチを作動させた。6人以外の全ての時間が止まる。

 「わっ! み、みんな、止まった!?」

 トカゲ兵も捕虜も突然止まってしまい、驚くダッパ。

 「ぼく達以外の時間を止めたんだ。さ、今のうちに急ごう。この世界じゃ、ぼくの道具の効き目が弱まるから、どれだけの間、止められるか分からないし、 相手ストッパーの時のように、1回しか使えないかも知れないし」

 「急げ!」

 ジャイアンを先頭にして6人は広場へと入っていく。そして、急いで捕虜をヤシの木から降ろし、ジャイアンが彼をおぶって広場の外へと連れ出そうと走る。

 だがここで、ドラえもんの懸念が的中する事となった。

 「…!? おい、あいつがいないぞ!」

 「何!? ど、どこへ行ったんだ!?」

 「…!? な、何だお前らは!?」

 ウルトラストップウォッチの効果が早くも切れてしまい、トカゲ兵達が動き出してしまったのである。しかもその時6人がいた場所は、広場の入口付近であり、すぐに見つかってしまった。

 「えっ、もう効き目が切れたの!?」

 「まずいよ、早く逃げようよ!」

 慌てるのび太とスネ夫。

 「ダメだ、敵が近いし、この人を抱えながらじゃ間に合わない!」

 ダッパが叫ぶ。

 「しょうがねえな。みんな、こいつらをやっつけるぞ!」

 ジャイアンがおぶっていた捕虜を降ろして身構える。ドラえもんはしずかの方を向いた。

 「しずかちゃん、ここはぼく達が食い止めるから、この人をお願い!」

 「分かったわ。みんな、気を付けてね!」

 しずかは捕虜を重そうに抱えて、広場からやや離れた場所にある物陰へと向かう。捕虜は予想もしない事態の連続に動揺したのか、気絶していた。


イメージBGM:通常戦闘
 残る5人は、向かってくるトカゲ兵達の方を向き、武器を構えた。
(ドラえもん、のび太、スネ夫、射撃判定…3人とも成功。変異トカゲ兵A、C、Dに命中)

ドカンッ! バシュッ! バンッ!


 「「「ぐあっ!」」」

 前進してくるトカゲ兵のうち3人に対し、ドラえもんの空気砲、のび太のショックガン、スネ夫の空気ピストルが炸裂した。怯むトカゲ兵達。

 だが残り2人の接近を許してしまう。3人に襲いかかる2人のトカゲ兵。だがそこへ、ショックスティックを手にしたジャイアンと、スーパー手袋をはめたダッパが立ちはだかり、2人を引き受ける。

 そうしている間に残り3人のトカゲ兵達も接近してきた。ドラえもん達もそれぞれトカゲ兵1人ずつと向き合う。

(ドラえもん、運試し判定…吉)
 ドラえもんは黄色い目と厚い皮膚を持ったトカゲ兵に立ち向かう。トカゲ兵は突然、黄色い目を光らせた。だがドラえもんはその目を直視していなかった。

 「チッ、運の良い奴!」

 舌打ちするトカゲ兵。どうやらあの目には催眠効果があったらしい。
(ドラえもんVS変異トカゲ兵A(受けるダメージ半減) 戦闘判定3回…ドラえもんの攻撃が2回命中)
 空気砲を発射しようとするドラえもんだが、トカゲ兵がその前にナイフで斬りかかってきたため、後ろに飛び退いてかわす。 さらに追い討ちをかけるトカゲ兵だったが、ドラえもんは空気砲を突き出して、それでナイフを弾くと同時に発射した。

 「うぐっ!」

 空気の塊を受けてよろけるトカゲ兵。ドラえもんはさらに空気砲を喰らわせる。近距離で2発も空気砲を喰らったトカゲ兵だったが、 厚い皮膚がダメージを半減させているのか、さほど怯んだ様子は無い…


 同じ頃、ジャイアンは3つの頭を持った、他のトカゲ兵とは色の違うトカゲ兵の前に立っていた。
(ジャイアンVS変異トカゲ兵B(鞭で武器を奪う) 戦闘判定3回…ジャイアンの攻撃が3回命中)
 「イサマル先生直伝の槍さばきを見せてやるぜ!」

 石槍で正面から突きかかるジャイアン。トカゲ兵はたかが子供の石槍と油断していたのか、正面から両手で槍を掴む。だがそれは失敗だった。


ズビビビビビッ!!


 「うがあぁぁっ!」

 掴んだ石槍から電撃がほど走り、トカゲ兵は槍を離してよろめく。これがただの石槍ではなく、電撃を放つショックスティックである事など、トカゲ兵が知る由もなかった。

 本来、ショックスティックは放電が可能であり、象も気絶させる威力があるのだが、やはりこの世界では弱体化しており、槍で触れなければ電撃を食らわせられず、与えるダメージも弱まっているようだ。 だがそれでも、敵にダメージを与えるには十分だった。

 「な、何だあの槍は! 魔法の槍か!?」

 動揺するトカゲ兵。ジャイアンはさらに突きかかって電撃で追い討ちをかけ、戦闘を有利に運ぶ。

 さらに槍で殴りかかるジャイアンだったが、敵は鞭を手に取り、鞭を両手で持ってジャイアンの攻撃を受け止める。  電撃はそのまま流れてきたものの、絶縁体である鞭を挟んだためか、ダメージは小さかった…

(のび太VS変異トカゲ兵C(伝染病持ち) 戦闘判定3回…のび太の攻撃が1回、変異トカゲ兵Cの攻撃が1回命中)
 その頃、のび太は長い舌を持った、やや不健康そうなトカゲ兵と戦っていた。のび太はショックガンで先制攻撃を決める。

 「うっ!」

 怯むトカゲ兵。のび太はさらに攻撃を仕掛けようとする。するとトカゲ兵は、長い舌を口の中に引っ込める。


ビュンッ!!


 「わっ!」

 トカゲ兵は突如、引っ込めた舌をカメレオンのごとく突き出してきた。意表をついた攻撃に、のび太はショックガンを弾き飛ばされてしまう。

 怯んだのび太に、さらなる舌攻撃が命中した。

 「いたっ!!」
(のび太、運試し判定…吉。伝染病に感染しない)
 痛みと共に弾き飛ばされるのび太。そこへさらに舌による連続攻撃を繰り出すトカゲ兵。

 「あわわわ…」

 のび太はそれを避けながら、慌ててショックガンを拾いに走る…


 一方、スネ夫は皮膚から紫色の蒸気を出すトカゲ兵の相手をしていた。

 トカゲ兵は突然口を開けたかと思うと、スネ夫にねばねばした液体を吐きかけてきた。
(スネ夫、回避判定…成功)
 「うわっ!」

 スネ夫は慌てて液体をかわす。液体は床に落ちると、嫌な臭いがした。どうやらこれは腐食性らしい。
(スネ夫VS変異トカゲ兵D(敵の命中率を下げる) 戦闘判定3回…変異トカゲ兵Dの攻撃が2回命中)
 スネ夫は空気ピストルを構えたが、急に目がちりちりと痛み始め、狙いを定められない。トカゲ兵の皮膚から立ち昇る、有毒の蒸気が風に流されてスネ夫の目を痛めているのだ。

 スネ夫があたふたしている隙に、トカゲ兵は手に持っていた棒で殴りかかってくる。

 「ギャッ! いてっ!」

 立て続けに2度も殴られ、劣勢に追い込まれるスネ夫…

(ダッパVS変異トカゲ兵E(2回攻撃可能) 戦闘判定2回…ダッパの攻撃が1回、変異トカゲ兵Eの攻撃が3回命中、さらに変異トカゲ兵Eが発射する歯が命中)
 そしてダッパは、トゲの生えた棍棒のような尻尾を持ち、口にはサメのような歯がたくさん生えたトカゲ兵と対峙していた。

 ダッパに正面から殴りかかるトカゲ兵。だがダッパは、その拳を両手で受け止める。

 「な、何!?」

 相手は丸腰の子供と油断していたトカゲ兵の誤算は、ダッパがスーパー手袋の力で怪力になっていた事だった。

 ダッパはしばらく敵の拳を押さえていたが、突然上方向に弾いた。よろけるトカゲ兵。ダッパはその隙に敵の懐に飛び込み、殴り飛ばす。

 「うがっ!!」

 トカゲ兵はそのまま仰向けに倒れた。起き上がろうとするトカゲ兵に対し、さらに追い討ちをかけようと飛びかかるダッパ。しかし…


バババババッ!


 トカゲ兵は咄嗟に、歯がたくさん生えた口を開く。すると口から複数の歯が抜けて、飛びかかってきたダッパに命中した。

 「うわっ! 痛う…」

 予想外の攻撃に怯むダッパ。トカゲ兵はその隙に、飛びかかってきたダッパを殴りつける。

 「ぐっ!!」

 トカゲ兵に撃墜されて倒れるダッパ。何とか起き上がるも、既に起き上がっていたトカゲ兵は、今度はダッパに棍棒状の尻尾を連続で振るってきた。

 「痛たっ! くっ!」

 尻尾攻撃を2連続で喰らい、劣勢に追い込まれるダッパ。

 だがその時、ダッパは付近に生えていた、比較的細めだが長く伸びたヤシの木に目をつけた。
(ダッパ、回避判定…成功)
 トカゲ兵のさらなる尻尾攻撃をかわしたダッパは、走ってトカゲ兵から離れる。

 「?…あっ、てめえ、逃がすかよ!」

 尻尾攻撃をするために後ろを向いていて、ダッパが離れた事に気付くのが遅れたトカゲ兵は、急いでダッパを追いかける…

(のび太VS変異トカゲ兵C(伝染病持ち) 戦闘判定2回…のび太の攻撃が1回、変異トカゲ兵Cの攻撃が1回命中)
 のび太の方は、長舌のトカゲ兵の舌攻撃から逃げ回りながら、何とかショックガンを拾う事に成功した。咄嗟にショックガンを放つのび太。

 ショックガンの光線は先にトカゲ兵に命中するも、敵が繰り出していた舌攻撃を妨害するには至らず、舌の方ものび太に命中し、相打ちになる。
(のび太、運試し判定…吉。伝染病に感染しない)
 「いたたたた…」

 「ううぅぅ…」

 互いに痛みにうめくのび太とトカゲ兵…

(ドラえもんVS変異トカゲ兵A(受けるダメージ半減) 戦闘判定2回…変異トカゲ兵Aの攻撃が2回命中)
 一方、ドラえもんは目の前のトカゲ兵に、空気砲で追い討ちをかけようとしたが、付近でダッパが苦戦しているのを見て、そちらに気を取られてしまう。

 トカゲ兵はその隙に、手に持っていたナイフを投げてきた。近距離から投げられたナイフは外れる事なく、空気砲を付けていたドラえもんの右腕に刺さってしまう。

 「わっ!」

 ロボットなので出血こそ無いものの、右腕の自由が効かなくなったドラえもんは、慌てて左手でナイフを引き抜く。だがその隙に敵に接近され、殴り飛ばされてしまう…

(ジャイアンVS変異トカゲ兵B(鞭で武器を奪う) 戦闘判定2回…変異トカゲ兵Bの攻撃が2回命中、うち1回は武器を奪う)
 同じ頃、ジャイアンも劣勢に追い込まれていた。3つ首のトカゲ兵は鞭を振るって反撃に転じてきた。

 ジャイアンもショックスティックで応戦するが、そのうちに敵の鞭がスティックに絡みついてしまい、そのまま武器を奪い取られてしまった。

 「あっ!!」

 突然武器を奪われて動揺した隙に、トカゲ兵の鞭がジャイアンに命中する…


 その頃、スネ夫は蒸気の目潰しから逃れるために、トカゲ兵から離れようと走る。
(スネ夫、回避判定…大失敗)
 だが足がもつれてしまい、その隙にトカゲ兵の突進攻撃に弾き飛ばされてしまう。

 「いったー!」

 大きく弾き飛ばされたスネ夫。だが何とか起き上がり、付近のヤシの幹まで走っていたダッパと合流する。

 「スネ夫、大丈夫か?」

 「大丈夫…じゃない…」

 フラフラになりながら答えるスネ夫。するとダッパはスネ夫の耳元で、何かを囁いた。

 「スネ夫、……だから、あいつらを足止めしてくれないか?」

 「…分かった、やってみる」

 その答えに満足したダッパは、先ほどのヤシの根元をつかみ、力を込める。

 そこへ2人のトカゲ兵がやって来る。ダッパとスネ夫が、それぞれ戦っていた個体である。

 スネ夫は2人に空気ピストルを向け、発射の掛け声を上げた。
(スネ夫、射撃判定…失敗)
 「バン!」

 発射された空気の塊は狙いを外れ、敵の前方の地面に命中して、土煙を上げるに留まった。だが足止めには成功し、2人のトカゲ兵は驚いて立ち止まった。その時…
(ダッパ、剛力判定…成功)

ズボッ!!


 「「な、な…」」

 トカゲ兵2人は、目の前で起きた出来事に唖然とした。ダッパがスーパー手袋の力で強化された腕力を全開にして、ヤシの木を引っこ抜いたのだ。

 ダッパは抜いたヤシを両手で抱えて前進し、それを横向きに構える。

 続いてスネ夫がその場で伏せながら叫んだ。

 「みんな、伏せろ!」
(ドラえもん、のび太、ジャイアン、回避判定…3人とも成功)
 スネ夫の叫びに、戦闘中のドラえもん、のび太、ジャイアンは何とか反応する事ができ、その場で伏せた。次の瞬間…
(ダッパ、剛力判定…成功)

ブオウウウッッ!!


 伏せた3人の頭上を、横に振るわれたヤシの木が通過した。ダッパが抱えていたヤシの木を、横に大きく振るったのだ。

 スネ夫の合図のおかげで伏せていた3人は、それに巻き込まれずに済んだ。だがトカゲ兵達の中に、ドラえもん達のように咄嗟に伏せる事ができた者は1人もいなかった。

 「「「「「ぐはあぁぁぁぁっ!!!」」」」」

 トカゲ兵達は全員ヤシの木でまとめて薙ぎ倒され、地面に投げ出されていった。

 「「「……」」」

 突然の出来事に、一瞬何が起きたのか分からずにいたドラえもん達3人であったが、やがて我に返り、立ち上がってダッパとスネ夫に合流した。

 「やったね、ダッパ!」

 「おかげで助かったぜ」

 ダッパを賞賛するのび太とジャイアン。

 「このスーパー手袋のおかげさ」

 「いや、ダッパ君の作戦が良かったからだよ」

 「…ねえ、少しは伏せろって言った僕の手柄も褒めてよー」

 ダッパばかり賞賛するドラえもん達に、不満を漏らすスネ夫。その時、倒れていたトカゲ兵の1人が立ち上がってきた。スネ夫と戦っていたトカゲ兵である。

 「う…うぐぅ…貴様ら…」

 トカゲ兵はふらつきながらも、棍棒を拾って振り回しながら5人に迫ってきた。それに気付いたのび太達は慌てて武器を構える。
(ドラえもん、のび太、スネ夫、射撃判定…3人とも成功。変異トカゲ兵Dに命中)
 しぶとく向かってきたトカゲ兵であったが、ドラえもんの空気砲、のび太のショックガン、スネ夫の空気ピストルの一斉射撃を受けると、吹っ飛んでそのまま倒れた。

 安心したジャイアンは、3つ首のトカゲ兵に奪われて落ちていたショックスティックを拾い上げる。だがその時、近くで倒れていたトカゲ兵が突然起き上がり、ジャイアンの背後から襲いかかった。
(スネ夫、射撃判定…成功。変異トカゲ兵Eに命中)
 「危ない! バン!」

 スネ夫が咄嗟に空気ピストルを放つ。今回は命中し、トカゲ兵は倒れた。そいつはダッパと戦っていたトカゲ兵だった。

 「…おどかしやがって…でかしたぜ、スネ夫」

 「へへっ、やっと褒めてくれたね」

 得意気になるスネ夫。その隣で、のび太は不安気に周囲を見回した。

 「ねえ、早くここを離れようよ。また立ち上がってきたりしたら…」

 「それもそうだね。しずかちゃんとあの人の事も心配だし」

 「そうだな。でもその前に…」
(ダッパ、剛力判定…成功)
 ダッパは先ほど使用したヤシの木を再度抱えると、元の位置に戻した。


イメージBGM:地底フィールド
 5人は物陰に隠れていたしずかと合流した。

 「良かった。しずかちゃん、無事だったんだね」

 「え、ええ、私は大丈夫…って、のび太さん! みんなも、怪我してるじゃない! みんなこそ大丈夫なの!?」

 「これくらい平気さ。これでも俺達、危険をいっぱい乗り越えてるんだぜ」

 「そうだよ。それに僕ものび太も、いつもジャイアンにやられてるから、殴られるのには慣れてるさ」

 心配するしずかに対し、のび太達は強がってみせた。

 「それに、ぼくの道具もあるからね。ところでしずかちゃん、その人の様子はどう?」

 「まだ気を失ったままだわ。さっき魔法の治療薬を飲ませたから、大丈夫だと思うけど…」

 「それならもう大丈夫だな。あの薬は即効性だし」
(ドラえもん、ひみつ道具判定2回…2回とも成功)
 「それじゃ、今度はぼく達の手当てをしないとね。お医者さんカバンとメカ救急箱!」

 ドラえもんはポケットから、お医者さんカバンと、メカ専用の薬や包帯が入ったメカ救急箱を取り出した。

 のび太、スネ夫、ダッパはお医者さんカバンの薬で戦いの傷を治療する。ジャイアンは鞭で1回打たれただけだからと断った。

 ドラえもんは戦闘で受けた傷の周辺を布で拭くと、メカ救急箱から取り出した軟膏を顔と右手の傷口に塗り込み、プラ膏薬で右手の傷を塞いだ。

 傷の手当てが終わったところで、気絶していた男が目を覚ました。

 「う…うう…ここは…あれ…君達は…トカゲ達は…?」

 「良かった、気がついたのね」

 笑顔を浮かべるしずか。6人は目覚めた男に事情を説明した。

 「…そうだったのか…おれはワックスリー・スピード。超一流の探検家で、宝探し屋だ。さっきの話からすると、君達はおれの命の恩人という事になるな。本当にありがとう」

 ワックスリーは6人に頭を下げた。

 「君達に何かお礼ができれば…そうだ、君達をジャングルの中にある神殿に案内しよう」

 「ジャングルの中の神殿?」

 ドラえもんが首を傾げる。

 「そこには素晴らしい宝物がしまわれているという噂があるんだ。おれは死んだ友人に地図をもらって、初めてその存在を知ったんだけどな。それでおれは探検隊を作って、 5年もかけて調べて、数多の危険を乗り越えて、やっと最後の障害を超えれば、って所まで来たんだ。それなのに今朝、ジャングルの旅に出発する準備をしている時に、 妙な空飛ぶ乗り物が来るのを見てな。その後、あの妙なトカゲ兵達の待ち伏せを喰らったってわけなんだ。奴らのリーダーは、赤いローブを着た、妙な男だったよ」

 「謎かけ盗賊だ!」

 ダッパが叫ぶ。

 「やっぱりそうか。君達の話を聞いて、まさかと思ったんだが。奴はおれ達から地図を奪うとすぐに、トカゲ兵の半分を残して自分はどこかへ行っちまったんだ」

 「その残ったトカゲ兵が、さっき俺達が倒した奴らって事か…」

 広場の方を見ながらジャイアンがつぶやく。

 「地図は取られちまったが、おれは記憶力には自信があってな、その地図は全部頭に入ってるんだ。良かったら、君達をそこまで案内するぜ。おれはその神殿に、 ”運命の振り子”があるって信じてるんだ」

 「運命の振り子?」

 のび太が興味を示す。

 「ああ。あまり人には知られちゃいねえんだが、これには善と悪とを操る力があるって言われてるんだ」

 「善と悪とを操る…? どういう事かしら…?」

 「それはそうと、これからどうするの?」

 スネ夫の言葉に、6人は相談を始める。

 「神殿と謎かけ盗賊って、何か関係があるのかな?」

 「関係あるだろうね。その神殿への地図を謎かけ盗賊が奪ったんだから。謎かけ盗賊も神殿の宝を狙ってるって事だろう」

 のび太の疑問に答えるドラえもん。しずかもそれに賛同した。

 「私もそう思うわ。その神殿に連れて行ってもらえば、謎かけ盗賊の手がかりが見つかるかも知れないわよ」

 「どの道オイラ達は、次の行き先も決まっていなかったからな。このジャングルを進むなら、カラメールでのオイラみたいなガイドがいた方が良いな」

 ダッパも賛成する。

 「そうだ。謎かけ盗賊が来る前に俺達が先回りして、その本命の張り子とかいう奴をぶん取ってやろうぜ」

 「ジャイアン、”運命の振り子”だよ」

 こうして話は決まり、6人はワックスリーに案内を頼む事になった。

 「そうか。それじゃ早速出発だ。あまりここにいると、さっきのトカゲ兵の仲間が戻ってくるかも知れねえしな」
(ドラえもん、ひみつ道具判定…成功)
 「あ、ちょっと待って下さい。そんなぼろぼろの服じゃ大変でしょう。ぼくが直してあげます。着せ替えカメラ!」

 ドラえもんはポケットから、服のデザイン画を入れてシャッターを押す事で、レンズを向けられた人の着ている服をデザイン画の服に変える正方形のカメラ・着せ替えカメラを取り出した。

 「ワックスリーさん、ちょっとそこから動かないでください」

 ドラえもんはワックスリーに指示しながらカメラを構える。

 「何だい、それは?」

 ワックスリーが不思議がるも、ドラえもんはそれに答えずにシャッターを押した。次の瞬間、ワックスリーの服が、傷1つ無い全く別の服に変化した。

 「…わっ、ふ、服が…」

 「この着せ替えカメラは、自由に服を変えられるんです。どんなデザインでもできますよ。…そうだ、ここでみんなの服も変えよう。その格好でジャングルを進むのは危ないからね」

 ドラえもんはポケットの中から、人気RPGの主要キャラが着ているようなデザインの書かれた紙を数枚取り出す。22世紀の新しいアトラクション施設に、様々なコスプレを着て進むゲームがあり、 そこで遊んだ時に手に入れたのだ。

 のび太達5人は、その中から好きな服を選んで、普段着からその服に着替えた。ただし、のび太はショックガンの入ったホルスターを一度外してから着替え、再度ホルスターを着け直した。 装着したままでは、ホルスターも一緒に服に変わってしまう恐れがあるからである。

 全員の着替えが終わったところで、ワックスリーが進む方向を指差しながら説明し始める。

 「まずはここからあっちへ真っ直ぐ進むんだ。1時間半ほど歩いたところで谷に着くはずだ。そこを超えたら、また方向を教えるよ」

 「あ、歩いて1時間半〜!? 冗談じゃない。ドラえもん、タケコプター使おうよ」

 出発前から弱音を吐くのび太。

 「待ってよのび太君。この世界では、ぼくの道具の効き目は弱まるんだ。むやみに使うのはまずいよ。そうでなくても、これまでにも何度も、電池切れで困って事があったじゃないか」

 「そうね。それに1時間半歩いた先がゴールじゃないから、まだまだ先はあるって事よね」

 「でもよ、いきなり1時間半歩くってのも辛いぜ」

 「そうだな。ここはジャングルだから、何が襲ってくるか分からないしな。さっきのトカゲ兵の仲間もいるって話だし」

 ドラえもんとしずかがタケコプターの温存を主張するのももっともな話だが、ジャイアンとダッパの言う事ももっともだった。するとスネ夫が、ある事を思い出した。

 「あっそうだ! ドラえもん、船でどこでもドアに地図を記憶させたって言ってたよね? それなら、宝の地図を記憶してるワックスリーさんがどこでもドアを 使えば、すぐに神殿まで行けるんじゃないの?」

 「それは無理だよ。実際に行った事のある場所じゃなきゃ。でも、このまま歩くのも確かに大変だね…」

 ドラえもんは少し考えてから、ポケットに手を入れる。
(ドラえもん、ひみつ道具判定…成功)
 「ここは陸路を進んで、一気に時間を短縮できる方法が良いね…電車ごっこロープ!」

 ドラえもんは本物の電車並みのスピードで走れる電車ごっこができるロープ・電車ごっこロープを取り出した。

 「えーっ、何かと思ったら、そのかっこ悪い奴かよ」

 「ボク、それのせいで死にかけた事だってあるんだぞ」

 「のび太君、それはリニアモーターカーごっこだろ。あれよりはずっとスピード遅いんだから大丈夫だよ。それにかっこ悪いといっても、 見てる人なんていないじゃないか。それとも、1時間半歩くかい? 猛獣がいっぱいいるかも知れないよ? 何日歩き続けても飽きないかも知れないけど」

 「「……」」

 文句を言うジャイアンとのび太だが、ドラえもんにそう言われては仕方がない。ドラえもん達5人は、過去にジャングルの旅を経験済みであり、 ジャイアンは猛獣に追い回される恐怖を嫌というほど知っているし、のび太はジャングルを何日歩き続けても飽きないと思ったら、一瞬で飽きてしまった経験がある。

 「なあスネ夫、電車ごっこって何だ?」

 「それは…うーん、やってみれば分かるよ」

 電車について説明するのが面倒だと考えたのか、スネ夫はダッパの質問への答えを端折った。

 電車ごっこロープの輪の中に入るドラえもん達5人。わけが分からずにいるダッパとワックスリーも、ドラえもんの指示に従って中に入る。

 「…これが、電車ごっこ?」

 「…何なんだ、このロープは?」

 「ねえドラちゃん、ちょっと狭くない?」

 「うーん、やっぱり7人は多すぎるのかな。1人は大人だし。でも何とかなると思うよ。それじゃみんな、ロープを離さないでね。ぼくが合図するまで、 足を止めちゃダメだよ。では、出発進行!」


ギューン…!


 ドラえもんの合図と共に出発した電車…もとい、電車ごっこをしている7人。

 電車ごっこをしながらジャングルを進むというのも滑稽な話だが、確かに歩くよりもはるかにスピードは速い。7人は途中、大猿や黒豹といった危険そうな動物を見かけたが、 時速数十キロで走っている彼らに追いつけるはずも無いし、それ以前に、突然そんな速度で走ってきた彼らを見て、動物の方が驚いて逃げてしまっていた。



 約10分後、7人はワックスリーの言っていた谷の前にたどり着いた。

 「はぁ、はぁ。やっぱりこの世界で使うと、スピード落ちるみたいだけど、それでも十分スピードは出たみたいだね…」

 「はぁ、はぁ。でも、やっぱり疲れる〜」

 息を切らしながらしゃべるドラえもんとのび太。他の5人も息を切らしている。

 「はぁ、はぁ。これが電車ごっこって言うんだ…こんなに速く走れるなんて…」

 「ダ、ダッパ、これはドラえもんの道具を使ったからこんなに速いんであって、本当の電車ごっこは、こんなスピードは出ないよ…はぁ、はぁ…」

 「はぁ、はぁ。す、凄いなこの魔法は…1時間半のところを、たった10分で…」

 「ま、魔法じゃねえけどな。はぁ、はぁ…」

 疲れながらも、ダッパとワックスリーの発言に突っ込むスネ夫とジャイアン。

 「はぁ、はぁ。でも、ちゃんと谷まで来られたわね…」

 しずかの言う通り、7人の目の前には、大きく口を開けた谷が行く手を遮っているのが見える。何メートルも下で、小川が海に向かって蛇行している。

 谷の前方に、吊り橋を支えていたと思われる柱が2本立っていた。ただし、今はもう使われていないらしく、ロープもシロアリに食いちぎられている。

 そこから少し離れたところには、丸木橋として使われているらしい、巨大な苔むした枯れ木が谷に渡されている。

 ワックスリーが丸木橋を指差した。

 「さ、次はこれを渡るんだ」

 「いや、ワックスリーさん。こんな危険を冒す必要は無いですよ」

 ダッパの返事にワックスリーは面食らった。

 「おいおいダッパ君、ここを渡る橋はこの丸木橋しか無いんだよ? 迂回するって手もあるが、そうなると相当長い道のりを歩く事になるし」

 「オイラ達にはドラえもんがいますから。ドラえもん、あれの出番だよね」

 「そういう事。ワックスリーさん、ぼく達に任せて下さい!」

 ドラえもんの言葉と共に、ダッパとワックスリーを除いた5人はタケコプターを取り出す。余分なタケコプターは持っていなかったため、5人でダッパとワックスリーを抱えながら、空を飛んで楽々と谷を越えた。

 「…ドラえもん君、君は空を飛ぶ道具まで持っているのか!」

 驚きながらも感心するワックスリー。

 「ワックスリーさん、それだけじゃありませんよ。ドラえもんは、すごい道具をたくさん持ってるんですから。下手な魔法使いよりも、ずっとすごいですよ」

 「えっへん! ぼく達はかつて、大魔王や妖霊大帝と戦った事もありますからね」

 「そうそう。ボク達はここ以外の魔法世界を冒険して、そこを救ったことがあるんですよ。ねえみんな」

 「「「…?…」」」

 ダッパにおだてられて、調子に乗って過去の話をするドラえもんとのび太だったが、話を振られたスネ夫達は怪訝そうな顔をしただけだった。

 「(あっ、そうか。もしもボックスで作った世界の事は、ぼくとのび太君しか知らないし、ユミルメ国の事は、3人にとってはただの変な夢でしかなかったな) …そ、それよりもワックスリーさん、次はどの方角に進むんですか?」

 「…あ、ああ。吊り橋の跡がここにあるから…次ははあの方向だな。歩いて1時間ほどしたところで、今度は崖にぶち当たるはずだ。そこを超えたら、また方向を教えよう」

 「歩いて1時間か…またこの電車ごっこロープを使うしかないね。よしみんな、少し休んだら出発だ!」

 その後、少し休んだ7人は、再び電車ごっこロープを使ってジャングルを進んだ。7人は途中、原住民と思われる、インディアンのような姿をした一団や、 背の低い人間らしき種族の一団を見かけたが、彼らもまた、時速数十キロで走る7人を追っては来なかったし、追いつけるはずもなかった。



 約7分後、7人はワックスリーの言っていた崖の前にたどり着いた。

 7人の目の前には、とてもよじ登れそうにない岩の絶壁がそびえている。だが、ただの絶壁だけではなかった。

 目の前の岩壁には、大きな顔が彫られていた。不格好に大きな敵意に満ちた姿であり、原始的な神を連想させるものだった。

 マンモスさえ入っていけそうなほど大きく開けた口と、7人を本当に見つめているような気にさせる目玉が印象的だった。

 さらに、地面には石の顔を囲むようにたくさんの白い物体がでこぼこな半円形に並べられていた。

 「はぁ、はぁ。こんなに疲れる電車ごっこ、あと何回やるの…?」

 うんざりした様子でのび太がつぶやく。

 「はぁ、はぁ。そんな事より、この大っきな顔は、何かしら…?」

 「おれの記憶じゃ、道はこの絶壁を、越えて伸びてるんだ。はぁ、はぁ。顔については何も書かれてなかったけど、道はこの古代の神の口を通って、続いているらしいんだ…」

 ワックスリーの話を聞いたダッパとドラえもんは、石の顔と絶壁を交互に見上げる。

 「はぁ、はぁ。それじゃ、この口の中を進んでいけば、この絶壁を、越えられるんだな…」

 「そうみたいだね、はぁ、はぁ。タケコプターで越えるにしても、この高さじゃ、どれだけかかるか分からないし…」

 「はぁ、はぁ。でも、あそこに並んでるのって、骸骨じゃない?」

 「はぁ、はぁ。マジかよ。もう骸骨は、こりごりだぜ…」

 スネ夫の言う通り、地面に並んでいる白い物体は、全て頭蓋骨だった。

 「あの頭蓋骨は多分、この辺りに縄張り作ってる一部の原住民が、境界線として置いてるんだろうな。でもあんな物を怖がってたら、先へ進めないぜ」

 「た、確かにワックスリーさんの言う通りだな。あ、あんな骸骨、どかすか壊すかすりゃ良いんだしよ」

 「ジャ、ジャイアン、罰当たりな事言わないでよ。ポルターガイストの事忘れたの?」
(ドラえもん、ひみつ道具判定…成功)
 「…それじゃ、骸骨にどいてもらえば良いんだ。無生物指揮棒!」

 ジャイアンとスネ夫のやり取りを聞いていたドラえもんは、生き物ではない物体を自由に操る指揮棒・無生物指揮棒をポケットから出した。

 ドラえもんは指揮棒を頭蓋骨の方へと向け、振り始める。

 「頭蓋骨よ、そこをどいて向こうに集まれ」

 すると頭蓋骨達はひとりでに右側へと移動していき、離れた場所で1つに固まるように集合して動かなくなった。

 「でも、骸骨がひとりでに動くってのも、これはこれで怖いね…」

 のび太がつぶやく。

 「勝手に動かしたりして、大丈夫かしら?」

 「大丈夫なうちに、さっさと行こう」

 ダッパの意見に反対する者はおらず、7人は石の顔の口へと近付いていった…


 原作「謎かけ盗賊」との設定の相違

 ・原作では、ジャングルを進む前に、ジャングルから絶叫が響いた後、ヤシの木で弾かれた人間が飛んできて、海に落ちてサメの餌になる場面を、2度連続で目撃する事になる。 彼らを助ける事はできない。

 ・原作の変異トカゲ兵達は、一部の例外を除いて、1人につき1つの変異能力しか持っておらず、どのトカゲ兵がどんな突然変異を起こしているかは、サイコロで決める。 だが今回のプレイでは、5人とも2種類の変異能力を持っており、トカゲ兵ごとにどの能力を持っているかは決められている。


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