はじめに


 どうも、管理人の影月です。「時空警察ドランサーシリーズ」から始まった、管理人自作のドラえもんパロディ小説も、本作で6タイトル目となりました。「ドランサー」を書き始めた頃はなんとなく実験的に書き始めましたが、書いていくうちに自分なりのノウハウらしきものも身につけ始め、「ドラえもん対マジンガーZ」、「ドラえもん対6人のドラえもん」では、それなりに読者の皆さんからの反響もいただけるようになり、誠に嬉しい限りです。

 さて、まがりなりにも数書いているわけですから、だんだんと私は、自分の小説の欠点がどういうものか、だんだんと理解できるようになっていきました(読者の方からのありがたいご指摘によるところも大きいですが・・・)。今回の小説では、その弱点を克服する意味もこめて書こうと、決意した次第であります。

 今回の新作ですが、私の小説としてはよくある、「ドラえもんのキャラの登場しないドラえもんパロディ小説」です。これ自体がまず、弱点克服の一つです。老子Mさん始め様々な方から言われてきたことですが、私の書く小説に登場するドラえもん達はあまりにもシリアスで正義の味方らしい、はっきり言えば、「決まりすぎ」な性格になってしまうのです。「ドラえもんはあくまでギャグマンガである」というのは多くの人の間の共通認識であり、私自身もその熱烈な信奉者であるのですが、どうしても小説となると、その本来の魅力であるドタバタキャラが生かし切れず、結果的にストーリーにひきずられ、キャラがシリアスになってしまうのです。・・・というわけで、いっそのこと今回は、ドラえもん達の登場しない小説にしました。「それじゃ克服じゃなくて逃げじゃないか」とおっしゃる方。たしかにその通りです(開き直りか!)。どうも私にはドラえもん達の魅力を十分に発揮させることはできないらしいということと、それでもドラえもん小説を書きたいという感情がせめぎ合った結果、このようになったことをご理解下さい。オリジナルのキャラ達は動かしやすいし、書いていても楽しいし・・・。

 それと同時に、これまでのようにストーリーにも気を使いました。おおまかなストーリーは、私が得意としている(と、自分では思っている)、「ドラえもん」の原作エピソードの前章的作品群です。これまでに同じスタイルで、てんとうむしコミックス第11巻「名刀[電光丸]」の後日談を描いた「名刀電光丸異譚」、同じくコミックス第8巻「人間製造機」に登場した人間製造機の開発経緯を描いた「 Interview」の2作品を書いてきましたが、今回の作品は単発で描いてきたそれらの作品と同じスタイルのものを、シリーズものとして展開することを考えて書きました。

 物語の具体的な内容は、ドラえもんが誕生する25年前、2087年に活躍した治安維持特殊部隊の活躍を描くものです。彼らの活躍を通じて、どこでもドアもタイムマシンもまだ発明されていないけれど、秘密道具が市民社会に浸透しつつあるという、現代の延長から「ドラえもん」の未来世界への過渡期の時代を描いていこうと思っています。そのため、各話のストーリーは、原作に登場したエピソードをもとにしたものが中心となります。ただ、全てが直接に「ドラえもん」とつながっているわけではなく、パラレルワールドとして考えてもらうと幸いです。例えるならば「クウガ」と「アギト」の関係のような(知ってる人しかわからんだろうが・・・)。

 今回の作品を書くにあたって最も参考となったのが、最近になって深夜に再放送されている「機動警察パトレイバー」でした。もともと好きなアニメ作品だったのですが、自分の中でブームが再燃。「ドラえもん」をもとにしてこういうものが書けないかと思ったのが、直接の動機だったりします。そのような事情で「パトレイバー」に似てしまう部分もあるかもしれませんが、ご容赦下さい。他にも様々な特撮作品やアニメ、ゲームから設定などにヒントを得ています。

以上が、この作品についての試みと内容の説明です。自分の書いた小説としてはかなり納得のいく部類に入ると思いますので、どうか、温かい目で見守って下さい。


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