「とりあえず、どうやって日本に来たの?」

 レミィはテーブルを挟んで向い側に座っているリュークに言った。

 「ちゃんと自費で来たって。密航なんてしてないから心配しないでよ」

 リュークが答える。

 「当たり前よ。密航なんて犯罪よ。ていうか、本当に自費で来たの?」

 「しつこいんだよ、お姉ちゃんは・・・」


仮面ライダーコブラ

第12話
飛行戦力を叩け


 「でも、あれだけ心配するなって言った筈なのに、なんで来たの?」

 「だって、行き先も言わないで4ヶ月くらいいなくなったんだからそりゃ心配するよ。母さんに聞いても何も言わないし・・・」

 「・・・ハア・・・。何でアンタはこうも心配性なのかしらね・・・」

 レミィは頭を抱えてため息をついた。

 「とにかく、家を出る時にちゃんと家にいる様にって約束した筈よ。なのにアンタは約束を破ったのよ。昔からお姉ちゃんとの約束は守るっていう約束じゃない。なのに何でそれを破るの?」

 「僕はもう子供じゃないって。いつまでもそんな心配しなくても大丈夫だよ・・・」

 「大丈夫じゃないでしょ! もしここに来るまでに万が一の事があったらどうするのよ!それにお母さんにだって心配をかける事になるでしょ!そんな事も解らないの!?」

 レミィが怒鳴る。

 「母さんにはちゃんと許可ももらったよ。それに、ちゃんとここまで来れたんだから、結果オーライじゃないか・・・」

 「良く無いわよ、全く・・・。いい、今後こんな事はやめるのよ。解った!?」

 「わ、解ったよ・・・。そんなに怒らなくたっていいじゃないか・・・」

 「とにかく、他にも言いたい事は山ほどあるけど、今はこれくらいにしておいてあげるわ。とりあえず、お茶でも飲みましょう・・・」

 レミィはそう言うと席を立った。






 「空中戦力か・・・それは厄介かもしれんな・・・」

 健二の話を聞いた之村博士は頭を抱えた。

 「とりあえず、君はどうやってそれを撃退したのかね?」

 「敵が高度を下げてきた所を狙って、敵が撃ったミサイルを土台にして何とか攻撃できました」

 健二は状況を説明した。

 「ミサイルを土台に・・・。君、下手すればミサイルが爆発して足が飛ぶよ?」

 「まあ、それはそうと・・・」

 「話をそらすなよ・・・。しかし、飛行用の装備はまだ無いぞ・・・」

 「飛び道具とかは無いんですか?」

 「作りたいのはやまやまだが、日本じゃ銃刀法に引っかかる可能性があるからなー、ライダースーツの脚力を引き出せば、何とか可能かもしれんが・・・。それに、その敵は一体とは限らない。下手をすれば数機で攻撃を仕掛けてくる可能性もある。一体だけでもキツイのに、そう何体も相手はできんだろう・・・」

 「何とかできないものですかね・・・」

 「とりあえず、色々考えてみるさ・・・」

 之村博士はため息をついた。

 「そう言えば、コンバットソードのある機能って結局何だったんですか?」

 「ん? ああ、実はコンバットソードの表面にはライダースーツと同じ特殊コーティングが施していてな。本体は君のバイクの装甲を加工して造ってある」

 「つまり、強度を上げるための加工が施されているという事ですか?」

 「ああそうだ。あのバイクの装甲は機関銃の攻撃にも耐えゆる構造になっているからな」

 「しかし、そんな凄い物を造っておいて、何で博士の知名度がイマイチなんでしょうか・・・」

 「ほっといてくれ・・・」

 之村博士は視線をそらした。

 「おーい、バイクの整備、やっておいたぞ」

 そこへ、銀咲が戻って来た。

 「ありがとうございます」

 健二は銀咲に礼を言った。

 「いいって事よ。しかし、バイクと呼ぶのも不便だな・・・」

 「そうだな。名前くらいは必要だな・・・」

 「やっぱりこのバイクって名無しだったんですか?」

 「ああ、正式名称は高速走行用特殊2輪型試作タイプという名称だが・・・」

 「長くて不便だから新しい名前にしましょう」

 「随分ハッキリ言うね・・・」

 「まあいいじゃねえか。名前ってのは後々に影響してくるからな・・・」

 「まあ、確かにそうだが・・・。では、どういう名前にするか・・・」

 博士は首をかしげた。

 「とりあえず、ブラストバイパーってのはどうでしょうか?」

 健二が言う。

 「ブラストバイパーだと?」

 「ええ。コイツの最高速度は1500キロで、とにかく規格外じゃ無いですが。ぶっ飛んでるっていう意味で。バイパーってのは・・・オレの右腕の遺伝子に免じて」

 「随分強引な気もするが・・・。しかしネーミングセンスは悪く無い。よし、ブラストバイパーで決定だな」

 「おうよ。こんなモンスターマシンにはそれ相応の名前が必要だからな」

 こうして、高速走行用特殊2輪型試作バイクの名は、ブラストバイパーに決定した。





 「銀咲さん、ちょっとお願いがあるんですが・・・」

 レミィが言う。

 「ん? 何だ?」

 「しばらくの間、リュークもここに泊まらせてもらっていいでしょうか・・・」

 弟さんもか? 別にいいが・・・」

 「本当ですか!?」

 「ああ、しかし、今まで通り、泊まってる間は店の手伝いくらいはしてくれるか?」

 「ええ、それ位の恩義なら・・・」

 「よし、じゃあ決まりだな」





 「良かったですね。リューク君もデカルトさんと再会できて」

 健二が言った。

 「ああ、しかし、アメリカからここまで来るとは。根性があるな」

 「そういえば、リューク君はレミィさんに比べてどことなく日本人よりですね」

 「ああ、確かにそうだが・・・」

 「それは僕が説明します」

 そこへリュークが入ってきた。

 「僕達の父さん、アヴァン・デカルトはアメリカ人なんですが、母さんのカスミ・デカルトは日本人なんです」

 リュークが言う。

 「へえ、ってことは、君と君のお姉さんはハーフって事か?」

 「ええ、そうです。でも、お姉ちゃんが父さんに似たのに対し、僕は母さんに似たみたいで、お姉ちゃんはアメリカ寄り、僕はやや日本寄りになった訳です」

 「成る程・・・」

 健二は納得した顔をした。

 「国際結婚の件数も今はかなり多い様だから、数年前に比べればそれ程珍しい事では無いけどな」

 之村博士が口を挟んだ。

 「ところで・・・」

 リュークが言う。

 「皆さんに見せたい物があるのですが・・・」

 「見せたい物だと?」

 「実は・・・」

 リュークはポケットに手を入れ、一枚の紙を取り出した。

 「これについて尋ねたい事があって・・・」

 リュークはその紙を開いて博士に渡した。すると、

 「これは・・・」

 之村博士は驚いた表情で紙を見た。

 「これに関して、何か博士が知っている事はありませんか?」

 「これは・・・ちょっと待ってくれ、少し調べてみる・・・。しかし、レミィさんはこれを知っているのか?」

 「少なくとも、気付いてはいると思いますが、まだ完全には話していないとは思います。だから、これは結果が解るまでお姉ちゃんには言わないでもらえますか・・・?」

 「ああ、解った・・・。しかし、デカルト博士は何の為にこれを・・・」

 「僕にも解りません。しかし、父さんが何かの考えがあってこれを残したのは確かだと思うんです」

 「よし、とりあえず調べてみよう。健二君、ちょっと手伝ってもらえるか?」

 「は、はい・・・」





 「じゃあ、ここに住むの?」

 レミィの話を聞いたリュークが言う。

 「ええ、何とかね」

 「じゃあ、とりあえず住む場所は解決した訳だね」

 「住むんじゃなくて泊めてもらうだけ」

 「どっちでもいいじゃない」

 「良くないわよ・・・。とりあえず、店の手伝いとかはする事になるから、それは良く覚えておいて」

 「うん」

 「そういえば、学校とかには通うの?」

 「通いたいとは思うけど、色々と面倒だからなあ・・・」

 「とりあえず、編入試験とかをクリアできれば入学は可能だと思うけど・・・」

 「じゃあ、行ってもいいの?」

 「あまりお金は使えないから、公立が限界ね。学費は工面出来る所までは工面してあげるけど、後はとりあえずバイトとかで補ってくれる?」

 「大丈夫だって」





 「これはどういう事かね?沢田博士・・・」

 映像を見たマッドが低い声で言う。

 「も、申し訳ございません!!」

 「君は今まで様々なバイオソルジャーとメタルソルジャーを仕向けた。が、結果はどうだ。どれもまともな成果は出せてはいないではないか・・・」

 「そ、それは・・・」

 「沢田博士、我々は世界の軍隊に兵器を販売する事が目的なのだよ。これは一種のデモンストレーションに過ぎない訳だ。が、君はデモンストレーションに多大な経費と時間を割いておきながらそれに失敗し我が社の評価の落胆に繋がっている。これを君はどう説明するのかね・・・」

 「ほ、本当に申し訳ございません!!」

 「謝って済む問題では無いのだよ。これ以上失敗が続く場合、君には何らかの処置をとらせてもらう事になる。そうなりたくなければ、これ以上の失敗を起こさない様にする事だな・・・」

 「こ、心得ております!!」

 「では、期待しているぞ・・・」

 そう言うと回線が切られた。

 「く・・・何故私が・・・」

 沢田は怒りに震えた。

 「待っていろ、仮面ライダーよ・・。今度こそ貴様を地獄に葬ってくれる・・・」





 「とりあえず、ブラストバイパーにもう一つオプションを取りつけた」

 博士が言う。

 「オプション?」

 「ブラストバイパーのフロント部分を、ライダースーツ用の特殊シールドに改造した」

 「特殊シールド?」

 「これもブラストバイパーの装甲を加工して特殊コーティングを施した。これで防御に関する対策も何とかなっただろう」

 「ええ。重ね重ねありがとうございます。それより、飛行用の対策は何とかなりそうなんですか?」

 「ああ、それは今考えを練っているのだが・・・機関銃でも造れれば問題は無いのだがな・・・」

 「とりあえず、頑張ってください」

 「君、一応自分の命もかかっているんだからもう少し重く考えたまえよ・・・」

 「そうですか・・・」





 その頃、

 「な、何だあれは!?」

 上空を見た人達が驚いた声をあげた。

 「ギギギギギ・・・」

 ブルルルル・・・

 そこには、ジャイロソルジャーが飛行していた。

 「手足の生えたヘリコプターだと?」

 「何でそんな物が・・・?」

 それを見た人達は唖然とした。が、

 「ギギギギギ」

 ジャイロソルジャーはそこに銃口を向けた。そして、

 ダダダッ!!

 地上に向けて、マシンガンを掃射した。

 「な、何!?うわあぁっ!!」

 ブシャァッ!!

 誰かがマシンガンに当たり、血が飛ぶ。

 「ひっ、ひやあぁぁっ!!」

 「ば、化け物だあぁぁっ!!」

 それを見た周りの人々は悲鳴を上げた。

 「ギギギギギ・・・」

 ダダダッ!!

 「うぎゃああぁっ!!」

 ジャイロソルジャーは逃げ惑う人々に尚も機銃掃射を浴びせた。






 「また怪物が出現しただって!?」

 健二は驚いた。

 「ああ、上空を飛行しながら機銃掃射を仕掛けているらしい。警察が向かった様だが・・・」

 「間違い無い、アイツだ・・・」

 健二はジャイロソルジャーの姿を思い出した。

 「とにかく、現場に向かいます」

 「頼んだ」

 健二はバイクに跨る。が、

 「青山さん!」

 そこへ、リュークが走って来た。

 「僕も行きます!」

 「えっ!?」

 健二は唖然とした。

 「ちょ、ちょっと待ち給えリューク君、相手は得体の知れない怪物だ、何故わざわざそこへ行くんだ?」

 博士が言う。が、

 「ちょっと、調べたい事があるんです。とにかく、僕も行きます」

 「いや、連れてけと言われてもな・・・」

 そこへ、

 「待ちなさい、リューク」

 レミィがリュークに駆け寄る。

 「アンタ、どういうつもり?」

 「ちょっと調べたい事があるんだ」

 「調べたい事って何よ?」

 「そ、それは・・・」

 リュークは言葉に詰まった。

 「アンタ、また変な行動起こすつもり? いい加減にしなさいよ。回りの人に心配かけさせたり迷惑をかける様な事はしない約束でしょ。アンタ、また約束を破るの?」

 「わ、解ったよ・・・」

 「とにかく、アンタだけを戦闘に放り出す訳にはいかないわ。私も一緒に行くわ」

 「へ?」

 「健二君、この馬鹿の面倒は私が見るから心配しないで」

 「え? あ、ハイ・・・」

 「ば、馬鹿ってなんだよ!」

 「グダグダ言ってんじゃないわよ。とにかく、ゴーレムに掴まって」

 「わ、解ったよ・・・」






 「ギギギギギ・・・」

 ジャイロソルジャーは上空から人が逃げた街を見下ろした。そこへ、

 「やっぱり、こないだのヘリ野郎だ!」

 健二がブラストバイパーで駆け付けた。

 「ギギギギギ・・・」

 ダダダッ!!

 ジャイロソルジャーは機銃掃射を仕掛けて来た。

 「おわっ!」

 それをかわす健二。しかし、

 ブルルルル・・・

 再びローターの音が響く。

 「これは・・・まさか・・・」

 健二は上空を見た。

 「ギギギギギ・・・」

 そこには、ジャイロソルジャーが新たに2機現れた。

 「来ちゃったよー。量産型」

 健二は冷や汗をかいた。

 「ギギギギギ・・・」

 ジャイロソルジャーは再び銃口を健二に向けた。そして、

 ダダダッ!!

 「やばい!!」

 シュタッ

 健二は銃弾をかわす。が、

 ダダダッ!!

 他のジャイロソルジャーが機銃掃射を仕掛ける。

 「チッ!!」

 攻撃をかわした健二は、ブラストバイパーのフロントに手を置いた。

 ガシッ

 するとフロントが分離し、盾になった。

 ダダダッ!!

 「でえぇい!!」

 ガキィッ!!

 健二はシールドで攻撃を防いだ。

 ダダダッ!!

 ガキィッ!!


 
再びシールドで攻撃を防ぐ。

 「ちくしょう・・・このままじゃらちがあかない・・・」

 実際健二の考えは当たっていた。このまま敵の攻撃を防いでいるだけではキリがない。そこへ、

 「健二君!」

 僅かに遅れて、レミィとリュークが到着した。

 「あれが敵?」

 「ええ、空中戦用の機体ですね・・・」

 「空中戦用・・・。厄介ね、ゴーレムにも飛行能力は備わってないわ・・・」

 レミィは頭を抱えた。が、

 「いや、勝てる可能性はあります」

 リュークが言う。

 「えっ?」

 「リューク、根拠の無い事は言わないで!」

 「大丈夫、ちゃんと理由はあるよ」

 「理由」

 「これさ」

 パチッ

 リュークが指を鳴らす。すると、

 ウィィン・・・

 「こ、これは・・・」

 健二とレミィは驚いた。

 突然、それまで何も無かった空間から、「何か」が現れたのだ。

 それは、一枚の長方形の箱に頭と腕が付いた、奇妙な物だった。

 「これは、まさか・・・」

 「僕が持って来た父さんの発明、βファルコンさ」

 「βファルコン?」

 健二は唖然とした。

 「しかし、何故いきなり何も無い場所から・・・?」

 「詳しい説明は後です。コイツの飛行能力を使えば、あいつ等に攻撃を加えられますか?」

 リュークが言う。

 「これは飛べるのか?」

 「飛行能力はちゃんと備わっています。問題は無い筈です」

 「とにかく、今はコレにかけてみるしかなさそうね・・・」

 「よし、やってやる!」

 「じゃあ、上に立ってください」

 リュークの指示で、健二がβファルコンの上に立った。

 「ギギギギギ・・・?」

 それを見たジャイロソルジャーは不信な目をした。

 「よし、βファルコン、上昇!」

 グオォォッ

 リュークの指示で、βファルコンが上昇した。

 「す、凄い・・・」

 健二は驚いた。

 「ギギギギギ・・・!?」

 突然βファルコンが浮上したのを見たジャイロソルジャーも驚く。

 「ギギギギギ・・・」

 そして健二に銃口を向けた。

 「操作は任せてください!」

 リュークが言う。

 「よし、頼んだ」

 そして、

 ダダダッ!!

 ジャイロソルジャーが機銃掃射を仕掛けて来た。が、

 「ファルコン、右に旋回!」

 ヒュゥッ

 「おわっ!」

 リュークの指示で、βファルコンが旋回し、攻撃をかわした。

 「そこに手すりがあります。しっかり掴まっててください!」

 「わ、解った!」

 健二は足元にあった手すりを見た。

 「ギギギギギ・・・!?」

 ジャイロソルジャーは再び驚いた。

 「いくぞおぉっ!!」

 「ファルコン、高速で突撃!」

 βファルコンは加速した。

 「ギギギギギ・・・!?」

 ジャイロソルジャーは焦って機銃掃射を仕掛ける。が、

 ヒュッ ヒュッ

 βファルコンは簡単に攻撃をかわす。

 そしてβファルコンはジャイロソルジャーの間合いにまで飛びこんだ。

 「よし!」

 健二は脚に力を込めた。そして、

 ダァンッ!!

 そのまま大きく跳躍した。

 「ギギギ!?」

 それを見て再三驚くジャイロソルジャー。しかし、

 ガシィッ!

 「ギギギ!?」

 βファルコンがジャイロソルジャーを掴んだ。

 「よし!」

 健二はジャイロソルジャーに狙いを定め、脚に力を込める。

 「でえぇぇい!!」

 そして、ジャイロソルジャー目掛けて高速で降下する。

 「ギギギギギ!?」

 が、ジャイロソルジャーはβファルコンに掴まれて回避出来ない。そして、

 「落ちろおぉっ!!」

 バキィッ!!

 ジャイロソルジャーの頭部に、健二の蹴りが炸裂した。

 「ギギギギ!?」

 ジャイロソルジャーは悲鳴を上げた。

 バンッ

 βファルコンが腕を放した。

 「ギギャァ!!」

 蹴りによりローターの基部が変形し、ジャイロソルジャーはバランスを崩した。

 「まだまだぁっ!!」

 健二は尚も脚を放さない。そして、

 ドガァッ!!

 「ギギャア!!」

 ジャイロソルジャーは地面に激突した。

 「よっと!」

 健二は再び跳躍する。そして、

 ドガアァン!!

 ジャイロソルジャーは大爆発を起こした。

 「ふう・・・」

 地面に着地した健二は、変身を解除した。

 「やった!!」

 それを見たリュークは拳を握った。

 「全く、ヒヤヒヤさせてくれるわね・・・」

 レミィはため息を付いた。

 「ギギギギギ・・・!?」

 その様子を見ていた2体のジャイロソルジャーは驚愕していた。

 「ギギギギギ・・・」

 どうやら戦うのは不利と判断したらしく、撤退して行った。






 「あーあ、逃げられた・・・」

 飛んで行くジャイロソルジャーを見た健二が言う。

 「まあ、今回は結果オーライね。それより、リューク・・・」

 「は、ハイ・・・」

 「アンタ、何でまたこんな物持ってきたの? しかも持ってきただけならまだしも、私達に何も言わないで隠しておくとはどーゆう事かしら!?」

 「い、それは・・・」

 「隠し事はしない、回りの人に心配はかけない、迷惑をかけない、これがお姉ちゃんとの約束でしょ。既に全部破るとはどういう了見かしら・・・」

 「そ、そんなに怒らなくても・・・」

 「つべこべ言うな! とにかく、帰ったらたっぷり言いたい事があるんだからね!!」

 「そ、そんなぁ・・・」

 「レ、レミィさん、ちょっと落ちついて」

 「健二君は黙ってて! これは兄弟同士の問題なんだから!!」

 「す、スイマセン・・・」

 「そんなもこんなも無い!解ったわね!」

 「は、ハイ・・・」

 リュークは落胆した。

 何はともあれ、健二はリュークの協力により、空中戦力への対抗作が見付かった。


次回予告

 いつもと変わらぬ生活を送る健二。しかし、そこに再び祐樹が目を付ける。そして祐樹は、自分がガルグド・メタルに改造された事を話し、健二に挑戦を叩きつける。そして、2つの拳がぶつかる時、それを制すのは、力か、スピードか・・・。

 仮面ライダーコブラ 第13話 二者衝突

 魂の叫びが、聞こえるか?


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