登場人物

・山口十三

 28歳。死んだ魚のような目、黒のくたびれたスーツに無精髭、鉄ゲタとさえない見た目の男。中身は熱い心をもった熱血漢…のはずだが普段はかなりの脱力系である。
 父親がジャズ好きだったことや、一時期ニューオーリンズに住んでいたことから幼少の頃からジャズミュージシャンを志してきた。そのためリズム感は抜群でそれを戦闘にも生かしている。楽器はサックス、尊敬するジャズマンはチャーリー・パーカー、マイルス・デイヴィス、バド・パウエルで主にビ・バップ系を好む。
 生まれつき「FAKE」に変身できる突然変異体だが、異形として生まれたわりには幸せでお気楽な少年時代を送ってきた。しかし12歳の時ある事件をきっかけにアメリカのニューオーリンズの親類へあずけられる。17歳の誕生日、家出。その後7年間サックスジャズミュージシャンとして、そして戦士として修行を続けながら全米を放浪。そしてその放浪期間中に出会った無償で人類の為に戦う戦士「赤い仮面ライダー」に憧れ、「仮面ライダーFAKE」を名乗る。4年前帰国し日本中を流離っている。


・音河 釣人(おとかわ つりひと)

 28歳。整った顔立ちにオールバックの美形青年。丁寧な口調のクールな男。非情な合理主義者であるが、家庭を何より優先する良き父という側面も持つ。
 十三とは旧知の仲で、同じく真っ黒なスーツとネクタイを着用しているが十三と逆に高級感溢れるシロモノ。同じくジャズを好む。
 身体能力は常人どころかFAKEをはるかに凌駕しており、改造人間や異種生命体を相手に格闘戦を行えるほど。ライディングテクニックも一流。ただし実は射撃はややニガテらしい。戦闘においては主に対改造人間弾『バダル弾』を装填できる、音河自作のダブルアクション・リボルバー『Jz−Qn』を使用する。
 フランスの貧民街出身で、本人曰く『思い出すだけで胃液がこみ上げる』ほど苦労したらしく、その反動かかなり高級志向なところがある。
 実は婿養子で、現在の本名は『釣人・O・ノエル』。妻の名はビリー・ノエル、娘の名はエラ・O・ノエル。
 愛車はカウル等に防弾仕様を施したスズキ・ハヤブサ。ただし、今回の任務では陰陽寮から提供を受けた『ブラストチェイサー』を使用する。
 ICPOの秘密捜査官で、日本での急激なメルヴゲフの増加、それに伴って暗躍する謎の『組織』を追って来日した。



・マツモト・リョースケ/イノ・クラッベ

 十三を狙う、謎の『組織』(ICPOでのコードはMtM)の幹部。子供のように小柄で童顔、軽薄な口調と目付きであるが、実年齢は60を超えており、子供のような言動や口調は演技である。
 『ルールを遵守すること』に異常なほどにこだわりを見せ、『ルールを守る』者に対しては敵であっても敬意を払い、逆に『ルールを破った』者に対しては味方であっても制裁を加える。なお、そのルール自体はどのようなものであっても良いらしい。
 野球好きで、ロッテファン。渡辺俊介のサインを持っているらしい。
 その正体は史上最強のメルヴゲフ『イノ・クラッベ』である。カニをモデルとしたメルヴゲフで、歪な形をしたハサミと、水を操る能力が武器。その装甲は大口径のAPFSDSでも傷つけるのは容易では無い。



仮面ライダーFAKE

 突然変異体である山口十三が「Arrangement」と呟くことを合図に塩基配列を変化させる事によって変身する。変身に必要な時間は約5分間で、その間どのようにして敵の攻撃をやり過ごすか、が最大のポイントとなっている。なんとなくゴキブリを思わせ、額から生え腰まで伸びる長い触角、黒く変色したボディ、鋸の刃のような物を腕から生やしているといった大きな外観の変化もあるが、変身後も頭髪が残っている、服装が変わらない(普通の服なら肉体の形状変化のために破れてしまうが)、目も複眼ではなく人間の目が大きく見開かれたような形状…と外見からして中途半端なメタモルフォーゼを行っており、それほど人間とかけ離れた身体能力を持っている訳ではない。
 全身が他のライダーのように生態装甲に覆われておらず、皮膚が多少硬化した程度なため非常に打たれ弱くニューナンブ程度の拳銃でも撃たれるとダメージを負う(さすがに致命傷ということはない)が、反面高い運動性を誇り相手の攻撃を高確率で回避する。
 他にも腕部のカッター「ジャグ」や強力な噛み付き、足に装備(単に履いてるだけ)した特殊鉄ゲタによってパワーを増した強力なキックで戦う。
 さらに特筆すべきはゴキブリ故の高い聴覚と振動感知能力で相手の動きを「聴く」ことができる。それによって動きのリズムを把握、それを乱すことによって、自分より高い技量を持つ相手でも戦闘においてペースを作らせない「アドリブ」という能力を持つ。
 なお「財団の改造兵士レベル3」、「もう一人の11人目・G」に変身方法、能力、外見等に類似する箇所がいくつかあるが、詳細は不明。


・必殺技

ESTRELLITA

 鉄ゲタから発射される重力衝撃波。与えるダメージは低いが当たった相手は必ず吹き飛ばされる為、けん制に多用する。回し蹴りを放つことによって発射される。ちなみに変身しなくても放つことができる。ぶっちゃけ雷○のハーケン○ンパルスのパクリ。
 
Two Bass Hit

 腕の鋸状のカッター「ジャグ」を振動させ、両腕を大きく振りかぶり相手に叩きつけX字に切り裂く。X字の交差点は厚さ10cmの鉄板も切り裂く。

Jazz giant

 鉄ゲタに装備された重力制御装置で体にかかる重力を最小にして空高く飛び上がり、最高点に達した時点で重力を最大にし、急降下しながら相手を蹴りつ
ける必殺キック。現段階でFAKEの最強の威力を誇る。

・ハイパーカブ

 本田技研工業製の名車、「スーパーカブ」をアメリカ放浪中に出会った仮面ライダーの協力を得て十三が独自のカスタムを加え戦闘にも耐えられるようにしたバイク。レッグシールドやフレーム等が特殊軽合金グラニウム製に、タイヤもオフロードタイプの物に換装されている。エンジンも市販者ではありえないパワーに改造されており最高時速260キロに達する。またスーパーカブのもともとの利点であった燃費の良さも大きく伸ばされており時速60キロで400km/Lを誇る。
 ちなみにグラニウムは地球上には存在せず放浪中に出会った赤い仮面ライダーから貰ったものであり、その仮面ライダーは「宇宙刑事」であったこともあるという。
 外見は市販のスーパーカブ90とおんなじ。

・ジャグ

 腕についた鋸状のカッター。高速で振動させることによって切断力を増すことができる。FAKE単体の能力の中で唯一高い攻撃力を持ち、厚さ5センチの鉄板を切り裂くことができる。

・鉄ゲタ

 重さ4キロ程度の鉄ゲタ。鋼鉄を特殊軽合金グラニウムでコーティングしたゲタで変身前後ともに履いている。鼻緒の部分に超小型重力制御装置を搭載しており、自重を増加・減少させることが可能。FAKEの使用する必殺技はこれがなくては成り立たない。
 当然これも赤いライダーからの頂き物。

・黒スーツと黒ネクタイ

 一見単なるヨレヨレのスーツだが、防弾・防水・防火・耐電加工がなされた特殊スーツ。FAKEは過去のライダー達のように「完成された兵器」として作られたわけでも、アギトほど優れた超進化生命体でもないため変身のたびに服が破れてしまう。だがこのスーツは変身によって起こる塩基配列の変化を感知、形状を変化させる。といってもジャグを使用するために袖の形状が変化する、全身の筋肉が膨れ上がりに対応してサイズが多少大きくなる、といった程度。
 これも赤いライダーからの頂き物で、過去に彼が着ていた「Z」なる特殊防護服のデータを流用して作られたらしいが原型ほど高性能ではない。ちなみに黒のスーツとネクタイという見た目は赤いライダーと十三の趣味が一致したため。


仮面ライダーFAKE ヤードバードセイント

○概要
 十三が変身ベルト「バース・オブ・ビバップ」によって変身する、仮面ライダーFAKEの最終形態。変身の際の掛け声は「Alternate Take Arrangement、変身」。「バース・オブ・ビバップ」がFAKEのイノベーターとしての「超進化因子」の活性化を促し、今までとは全く違う姿へと変身を遂げる。
 ゴキブリに酷似した容姿、長い触角や黒いボディ、頭髪等の特徴は今までと同じだが、腕部のカッターは廃され、その代わりに手の指の一本一本が、昆虫の鍵爪のように変化している。触覚も従来のものよりも太く長くなっている。また他にも、眼球の形状が所謂仮面ライダー的な直翅目のような複眼に変化する、新たに得た昆虫のような琥珀色の「翅」が変化した真っ白なロングマフラー、口部を覆う金属質のクラッシャー、黒光りする金属光沢をもった生体装甲等、今迄以上に「異形」を強く感じさせる姿となっている。一言で言えば『黒い背広に白いマフラーを付けたゴキブリ人間』
 能力は今迄のFAKEと同じく精密動作性とスピードが長所で、時速250km前後のスピードで走ることが出来、さらにはゴキブリの特性として最高時速まで瞬間的に加速できるため、閉所や障害物の多い場所での高速戦闘を得意とする。またパワーと防御能力も大きく向上し、単純な肉体的スペックでも標準的な性能を持つ改造人間にやや劣る程度のスペックを誇る。アドリヴの能力も健在。
 生命力が非常に強く、体力を消耗していない状態ならば頭を砕かれても生存・活動が可能。再生能力も高く、消耗の度合いにもよるが四肢の欠損程度なら完全な再生が可能。また胸部に第二の脳といえる神経節が発達しており、気絶した状態でも単純な行動ならば可能である。
 またこの形態が本来想定されていたメルヴシャーベ=仮面ライダーFAKEの真の姿で、従来のFAKEは他のライダーで例えるならば未確認生命体2号(白い4号)のようなものであるため、基本的には旧来のFAKEへと変身することは無い。人間形態からFAKEヤードバードへ直接変身する。非常に体力を消耗した状態で無理に変身をしようとした場合などには、例外的に旧FAKEに変身してしまうようだ。
 余談だが、『ヤードバードセイント』のヤードバードとはチャーリー・パーカーの愛称。この名前の由来は諸所あるが、極貧時代のパーカーが誤ってひき殺した鶏(ヤードバード)を、あまりに腹が減っていたためソレを夕飯で食ったから、という説がある。セイントはジョン・コルトレーンの敬称といったところだが、十三は基本的に単にヤードバード、もしくは仮面ライダーFAKEとだけ呼ぶ。

>シーツ・オブ・サウンド
 新たに「音」を全身に纏い、操る能力が加わった。この「音」は工業用の超音波破砕機のような性質を発揮する破壊音波。この「音」を纏った状態をシーツ・オブ・サウンド(以下S.S)と呼び、風が全身を覆っているように見える。
 打撃と共に目標に「音」を打ち込むことによって相手を破砕する・「音」を高周波のように利用し、高速移動する(ただし、直線的な動きのみ)・物理攻撃に対する障壁となる、等の使用が可能。
 ただし、この「音」は自身をも蝕むため、あまり長時間の使用はできない。
 「シーツ・オブ・サウンド」は「音楽で悪に立ち向かう」といわれたジョン・コルトレーンの演奏を形容した言葉。

>エクスプレッション
 進化したFAKEライダーの足首に新たに現れた器官。いわゆる昆虫の足の節で、多重関節構造になっている。見た目は鳥の足のような逆関節が足首についたような形状で、この器官を使用することによって普通の人間には不可能な極端な前傾姿勢や、その状態からの最高速度のダッシュ、高い跳躍力などを発揮することができる。ヤードバードの戦闘力を支える重要な器官である。
 エクスプレッションとは音楽用語で電子楽器の音量のこと。所謂普通の、一度決めたら音量を上下させないような普通の音量をヴォリュームというのに対し、演奏の途中で音量を変化させるようなものをエクスプレッションと呼ぶ。

>グライディングマフラー
 真っ白なロングマフラー状の器官。マフラーのように見えるが実はゴキブリの「翅」が変化したもの。このマフラーを用いてFAKEは空中での姿勢制御や滑空などを行うことが出来る。また他にも高速戦闘時にこのマフラーを用いてダウンフォースを発生させ、軌道を安定させる役割も持つ。早い話がF1マシンのウィングのようなもの。
 また飛行も可能だが非常に簡易的なもので、本格的な空中戦闘は難しい。飛行速度も走った方がはるかに速い程度。一応、垂直上昇が何とかできる程度の推力は生み出せる。

>触覚
 FAKEにとってエクスプレッションと並び、最も重要な器官。FAKEは音をこの触覚によって聞き取っており、この触覚が破壊されるとしばらく行動不能に陥る。全身の皮膚感覚やピットからも音や振動を感じ取ることも可能だが、触覚からの情報量が最も多い。

>オーニソロジー・ライダーキック
 FAKEの最強技。空高く飛び上がり、急降下しながら相手をS.Sを集中させた足先で蹴りつける飛び足刀。JAZZ・GIANTの強化版。
 オーニソロジー(Ornithology)はチャーリー・パーカーのスタンダード。「鳥類学」の意。

>オーバー・ザ・レインボウ
 両手の手刀にS.Sを纏わせ、右手は超高振動により高温に熱し、逆に左手は刃の表面に付着した空気分子の震動にいたるまで震動を停止させることによって極低温に冷やす。この温度差による熱疲労で目標を脆くし、切り裂く。この技を使用する時の極端な温度差によって空気中の水分が凝固→蒸発し、「虹」が見えることからこの名前が付いた。
ぶっちゃけジョジョ第二部の「輝鮮滑刀の流方」のパクリだったりする。
 オーバー・ザ・レインボウは元々「オズの魔法使い」で使用された曲だが、十三曰く「これはバドが演ったヴァージョン」。

>枯葉(オータムリーブス)
 掌に集中させたS.Sを、掌底による寸勁で相手の内部に音撃を直接ブチ込み、内部崩壊を起こさせる。主に強固な外骨格を持つ相手に使用する。
 所謂「戦闘員レベル」の相手や、打撃によって弱らせた相手なら、爆発させることなく「葉が枯れる」ように塵にすることが出来る。
 「枯葉」はフランス歌曲だが、マイルスのジャズ・トリビュートとしても有名。

>アドリヴ
 FAKE最大の能力。相手の動きをリズム・メロディ・ハーモニィの三つで解釈することによって相手の動きの先読みが可能。戦闘を音楽としてとらえ、相手の動きを『曲』として解釈し、その『曲』を『フェイクする』ことによって自分に有利な戦況を作り出すことが可能で、上手く嵌れば少なくとも白兵戦闘においてはほぼ無敵だが、相手の動きを『聴く』ことによってアドリヴを行うため、超音速攻撃や無音の攻撃には対応できないという弱点を持つ。また他にも、打撃戦ではなく組技に持ち込まれた場合では動きの選択肢が限られるため、アドリヴを最大限に有効活用することは難しい。また、実際の動きは相手の錯視やフェイントを利用する動きであるため、そういった行動が通用しない熟練の戦士や深い洞察力を有する相手、ほぼ100%確実に動きを補足できる相手にも通用しないといった弱点がある。


インプロヴァイザー

 大破したカブを修復・改良したFAKEの新マシン。修復といっても元のスーパーカブ90の部分は1割にも満たず(単に十三の感傷により組み込まれているだけである)、まったく市販車を改造しただけのハイパーカブとは別次元の「戦闘バイク」である。
 動力は高効率ガソリンエンジン。これにより最高速度270キロ、最大出力350馬力を誇る。また非常に燃費が良いため十三のエンゲル係数を下げるという偉大な効力がある。
 普段はカブ90の姿に偽装しているが、リミッターを解除するとフレームごと変形し、トライアルタイプのマシンになる。装飾の類は殆ど排除されたシンプルなシルエットで、武装等は付いていない。完全に「バイクによる格闘戦」を重視したマシンである。
 「インプロヴァイザー」とは、「アドリヴする人」の意。


ブルーノート

 音河にICPO本部が支給した新型のソリッドスーツ。かつてICPOと特別救急警察隊が共同開発した『ナイトファイヤー』の簡易量産タイプであり、単独行動を行う秘密捜査官用に開発された、ICPO初の強化外骨格系装備である。その開発には特別救急捜査隊本部長が深く関わっているとされる。
 なお、他の実行制圧部隊向けの装備として、兄弟機の『コパーファイヤー』が存在するが、公式の発表では現在開発中であり、数機の試作機を除いて存在しないことになっている。
 黒いボディと銀の装甲に、その名の通りの青いラインが走っているカラーリング、後頭部と背中を繋ぐパイプ、カメラアイの役割を果たす大きな丸い単眼、両足踵に備え付けられた車輪、さらに急造のため機体が過熱しすぎるという弱点を補うため、マフラーのような放熱装置を背中から二枚生やしているというデザイン。
 技術系統的には『ナイトファイヤー』の後継機であり、首筋と背面を繋ぐパイプや胸部の円形状の機関といった一部共通する特徴は存在するものの、レスキュー用としての仕様も視野にいれていたナイトファイヤーと違い、完全に特殊能力を保持した犯罪者との戦闘を目的に製作されたため、全体の印象はかなり異なる。例えばナイトファイヤーは極地での活動のために全身を装甲で覆われていたが、ブルーノートは胸部と両肩、脛といった極限られた急所や動きの制限しない箇所にしか装甲を施されていない。
 なお、『ブルーノート』とはあくまで音河が所有するスーツのパーソナルネームであり、機体自体の正式名称は『コークファイヤー』。
 名前の由来は有名なジャズレーベルの名前の由来にもなっている『ブルーノートスケール』。ブルーノートとは『悲しい音階』のような意味がある。

各種装備

・カイザーメタル・ジルコナイト複合装甲
 胸部や両肩といった急所のみを保護する銀色の装甲。
 本来ならばダイヤモンドの5倍の硬度を誇るジルコナイト56のみを仕様した装甲を採用する予定であったが、魔術や幻力といったオカルト系技術を有した改造人間の台頭に対抗するため、『超力』とよばれる自然から得たエネルギーを循環・エネルギーとして仕様可能なカイザーメタルと呼ばれる特殊な金属を複合して使用している。尚、この『超力』は本来なら特定の適正を持つ人間しか扱うことは出来ないが、それを精神的な制御装置を組み込むことで『超力』の基となるテトラヒドロンエネルギーを引き出している。そのため、このブルーノート(コークファイヤー)は精神力の弱い人間には装着することが不可能である。
 なお、これは特別救急捜査隊本部長からもたらされた技術であるが、何故彼がICPOや特別救急隊とは関連が薄いと思われるこのような技術を有していたか不明。

・ウィザードサーチャー
 かつてのナイトファイヤーも装備していたものとほぼ同様の胸部に備え付けられた円形の情報集積機関。ブルーノートのものは青白い光を放っている。
 使用する際には胸部装甲が展開、ウィザードサーチャーが眼の位置まで持ち上げられ、各種赤外線や紫外線といった人間には不可視の光や電波、さらには壁などを透視することが出来る。

・ブルーパンチャー
 両腕に装着された円筒状の巨大な腕輪のような機関。
 かつて『超力』を開発、使用したUAOHという機関が開発した『レッドパンチャー』と呼ばれる巨大兵器の装備をダウンサイジング・改良を施したもの。起動するとピストンのように上下に可動し、プラズマエネルギーで両腕を覆い、パンチ力を高めることが出来る。

・ターボユニット
 特別救急捜査隊の強化スーツに装備されていた使用していた高速移動装置を簡易化、低コスト化したもの。
 踵部に装着された車輪状の装備で、起動すると大地をスケートで滑るように高速移動が可能である。その構造上、小回りが利かないという欠点がある。オリジナルよりも量産化を優先したために生まれた欠点といえる。

・パイルプラズマー/プラズマレイ
 額と両掌に設置された、ワインレッドに光る円形の機関。ここからプラズマ破壊光線『プラズマレイ』を発射可能。
 ナイトファイヤーの装備であったプラズマ弾頭弾を発射する『パイルトルネード』なる装備を小型化・簡易化したもので、低コスト化及び取り回しのよさが向上しているが、当然威力もそれなりでオリジナルの15%程度の破壊力しか存在しない。

・レスピレーター
 口部を覆うガスマスクのような酸素供給装置。小型化された酸素ボンベと繋がっており、そこから72時間分は保証された酸素を供給するほか、外気から酸素を取り入れ、毒素を除去して装着者に供給するといった機能を持つ生命維持装置である。
 上記のもの以外にも高圧圧縮酸素ボンベやマフラー型放熱フィンといった装備も存在するが割愛する。

必殺技

・ストレインジ・フルーツ
 両腕を掌のパイルプラズマーを向かい合わせて伸ばし、プラズマレイを圧縮して生成するプラズマの大型光弾。チャージに時間がややかかるという欠点が存在するが、最大で通常のプラズマレイの5倍程度の威力がある。
 ちなみにストレインジ・フルーツ=奇妙な果実とはリンチを受けて木につるされた黒人の事だったりする。

・ノウカウント・ナックル
 両拳を腰貯めに構え限界まで脱力した後、物質の弾性が戻るよりも高速の連打を叩き込む技。ブルーノートの装備ではなく音河自身の技であるため、ブルーノートを装着せずとも放つことが出来るが、前述の『ブルーパンチャー』ユニットによって増幅されたノウカウント・ナックルは、エイブラムズ主力戦車の正面装甲ですら縁日のポイの如く貫く。

・レディ・ダイ
 上空まで高くジャンプしたのち、プラズマエネルギーで覆われた踵を回転する『ターボユニット』ごと相手にたたきつける必殺の踵落とし。
実は音河が休暇期間中に『渡部奈津』より指導を受けた渡部流無刀術の技の一つ『未蹴』を音河なりに改良した技らしい。


ブラストチェイサー

 音河が使用する戦闘バイク。元々はG5用戦闘バイクのトライアルに四菱が提出した競合機。とにかく頑丈であることが最大の利点で、音河は時にこのマシンを盾として利用する。オフロードマシンに無理矢理装甲をかぶせた異様なシルエットと、真っ白なボディが特徴的
 四菱が提出した時点では、トライアル中にタイヤが外れるなど、最も完成度は低かったが、逆にそのことが改良の余地を残していたらしく陰陽寮の技術スタッフによって手を加えられ、トライアル時とはやや仕様が異なる。最高速度時速320キロ。


ブートソング

 MtMが十三から奪ったデータをもとに製作した新型戦闘員。FAKEヤードバードとほぼ同等のスペックを持ち、アドリヴ能力も有する。
 シルベール製の装甲スーツや鉄ゲタはさすがに装備していないため、代わりに高い防弾性能を持つボディーアーマーとブーツを着装している。
 戦闘員としては非常に高い戦闘力を持ち、加えてコストが通常の戦闘員に多少上乗せした程度で製造可能なため、すぐさま旧来の戦闘員は排除されなり替わった。


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